金より愛子 Vol.11

「そんな不甲斐ない男、やめた方がいい」婚約者との“収入格差”を気にする女への、悪魔の囁き

結婚に必要なのは、お金or愛?

それは、女にとって永遠のテーマである。

“最後は愛が勝つ”と信じたくてもそれは理想論だということに、女たちは徐々に気づいていくのだ。

しかし「お金より愛が勝つ」と言い切る、ある女がいた。

その名は、愛子。

金に目がない女だらけの東京において、愛子は信念を貫き、幸せな結婚生活を勝ちとれるのか?

広告代理店で働く29歳の愛子は、婚約者の知樹と幸せな毎日を過ごしていた。

一方、同時期に医者との結婚を決め、結婚式準備に精をだす親友の明日香は、御曹司・翔太が愛子に好意を抱いていることに気がつき、悪巧みをするのだった。


「まあ、お客様!とってもよくお似合いですよ…!!」

おそるおそるカーテンを引いて、愛子が試着室から歩み出ると、店員が悲鳴のような歓声をあげた。知樹は驚いた表情で、その場に立ち尽くしている。

今日はウェディングドレスの試着をするため、愛子は知樹と銀座に来ている。先週末、ようやく二人の式場が決まり、提携のドレスショップにやってきたのだ。

「トモくん、さっきから黙ったままだけど、何か言ってよ…」

愛子が気まずそうに促すと、知樹ははっと我に返り、頭を掻いた。

「いやぁ…あんまり綺麗だからビックリしちゃって…」

思わず愛子も照れ笑いしながら、あらためて鏡に映った自分の姿を見つめ直す。生まれてはじめて袖を通すウェディングドレスには、不思議なパワーがあった。

それまではいまいち、結婚することへの実感がどうも沸かずにいたが、こうしてドレスを着ると、ついに自分は結婚するんだとしみじみ感じることができる。

王道のAラインを試着したあとは、マーメイドラインやエンパイアドレスなどいくつかのドレスを試した。

「Aラインも素敵でしたけど、お客様背が高くてスタイルが良いので、マーメイドラインもとってもよくお似合いでしたよ」

「私もその2つで迷っていて…。ああ、どちらも素敵すぎる。でもやっぱりAラインかしら」

「それでしたら、お色直しで両方着られてはいかがですか?最近はカラードレスでなく、白いドレスを2回着られるお客様もたくさんいらっしゃいますから」

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