
残念極まる男:「イケメン・医者・独身」3拍子揃った好条件を無に帰す35歳男のたった一つの欠点
一流の仕事につき、高い年収を稼ぐ東京の男たち。
世の中の大半の女性が結婚を夢見る、いわゆる“アッパー層”と呼ばれる人種である。
しかしその中でも、ハイスペであるが故に決定的に“残念な欠点”を持つ男、というのが存在するのだ。
元彼を35歳の美女・恭子にとられて傷心中の瑠璃子は、彼を忘れるためにハイスペ男との出会いを積極的に繰り返すが、なぜか残念男たちを次々引き寄せてしまう。
瑠璃子が出会う、“残念極まる男”たち。あなたも、出会ったことはないだろうか?
「瑠璃子ちゃん、よかったら今度二人で食事しない?」
耳元でそっと彼に囁かれたとき、瑠璃子はようやく自分の時代がやってきたことを確信した—。
今日、瑠璃子は、会社の先輩・理奈と、『オークドア』のバースペースに飲みに来ている。
自分より6つも年上の恭子に周平を取られて以来、すっかり覇気を失っていた瑠璃子を見かねて、理奈が声をかけてくれたのだ。
「瑠璃子ったら…あの威勢の良さはどこに行っちゃったの?確かに周平君はいい子だったけど、東京にはもっといい男がたくさんいるわよ」
必死で励ます彼女の声に頷きつつも、瑠璃子の心はどこか上の空で、思わずきょろきょろと目を泳がせる。するとしばらくして、30代半ばくらいの二人の男性が近づいてきた。
「よかったら、一緒に飲みませんか?」
突然声をかけられて驚いたが、ひとりの男の顔を見て、思わず言葉を失った。なぜなら、瑠璃子がこの世で最も好きな俳優・西島秀俊に瓜二つなのだ。
—に、西島さん…!
そう答えそうになるのをぐっと堪える。そして代わりにとびきりの笑顔を作って、「是非一緒に飲みましょう♡」と答えた。
瑠璃子が彼の端正な顔立ちに惚れ惚れしていると、彼らは慣れた様子で自己紹介をする。西島秀俊似の彼の名前はタカシと言った。
「僕は、広尾にある美容外科クリニックで医師をしています」
「すごーーーい!タカシさん、お医者様なんですか?」
ルックスが良い上に、医者。こんなハイスペックな男性に声をかけられるなんて、ツイている。瑠璃子は、みるみるうちに、自分の中にパワーがみなぎっていくのを感じた。
—そうよ、いつまでもクヨクヨしてるなんて私らしくない!理奈さんの言う通り、東京にはいい男がまだまだいるはず。
そして、こう決意したのだった。
―絶対に周平を軽く超える、ハイスペックな男性を捕まえてみせる…そう、タカシさんみたいな!
こうして瑠璃子は彼とLINEを交換し、翌週食事に行く約束を交わしたのだった。
この記事へのコメント
と思いながら読んでました。
本能的に無理なのに多いに共感!笑
会話が一人称なんですよねー。
素適なお店でご飯&医者繋がりの友達紹介してくれる要員には最高!笑
「こんな男ありえな〜い!」とネタにする。まず自分のスペックをご認識下さい・・
瑠璃子を[ピーチガール]のさえに脳内変換して読んでしまう笑(ゆとり世代)