恋の大三角形 Vol.10

恋の大三角形:「結婚できないなら、別れたい」は恋愛後期に言っても駆け引きにならない

東京を生きる女たちは、もう気がついている。

「素敵な男の隣には、既に女がいる」という事実に。

自分が好きになるくらいの男を、他の目ざとい女たちが見過ごすはずがないのだ。

不動産会社で秘書をしている繭子は、商社勤務の洋平と付き合って2年になる。

しかし彼からプロポーズの気配がなく、さらには他の女の影を感じた繭子は、ある夜既読にならないLINEに嫉妬心を募らせ深夜に家を飛び出す

帰宅した洋平は繭子を優しく宥め、ふたりの関係は改善したように思われた。

しかし30歳の誕生日、「まだ結婚は考えられない」と言われてしまい、洋平と別れることを考え始める。


不器用な男


「小柳さん。できるだけ直近で、常務の空いてる時間を教えてもらえないかな」

声をかけられ振り返ると、角ばった顔をした大柄の男が私を見下ろしていた。彼が呼んだ小柳という名は、私の苗字である。

「…あ、はい。今、調べます」

急いで常務のカレンダーを確認する視界の隅に、シバ......


この記事へのコメント

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No Name
好きな人に
結婚しないなら別れると告げられる強さは、
未来の幸せに繋がっていると信じたい…
2018/01/08 05:5099+返信9件
No Name
何事もなかったかのように振舞うって、ほんとこの男最低だから。
ここで引き留められなかったのは繭子に良かったと思うよ。でなきゃキープされてるだけで状況はもっと最悪!
2018/01/08 05:1899+返信4件
No Name
年単位で付き合った30歳の彼女に、「結婚する気がない」って言い放っておいて、連絡来たら手料理を何事もなく喜ぶ男って、いったい何考えてるんだろう?
2018/01/08 07:0099+返信2件
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