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  • ズルい男 Vol.3

    ズルい男:いつでも冷静沈着な男orストレートな年下男。35歳美女が考える、いい男の条件とは



    家に帰り、私はぼんやりと窓の外を見つめていた。

    この家に引っ越した一番の決め手は、この広い窓だ。たっぷりと陽の光が差し込む窓の近くで、圭吾の言葉を思い出していた。

    ―僕たちは、うまくいってるじゃないか。

    でも…。私たちは、本当にうまくいっていたのだろうか?

    突然の別れの言葉に、圭吾は取り乱しはせず、「僕たちはうまくいってるじゃないか」と繰り返した。いつでも平然を装うのは、折り合わない現実から目を背けようとする、彼の弱さなのかもしれない。

    ―あれ…?

    そんなことを考えながら窓の外を見ていると、遠くを走る一台の赤いクルマが目に入った。その後ろ姿を目で追っていると、透君が好きだと言っていた、流れるようなルーフラインのシビックだと気づく。

    NY駐在中といい、西麻布の交差点で見たときといい、私はこの赤いシビックにどうも反応してしまう。でもまさか、透君ではあるまい。あの夜以来、一切連絡がないのだ。

    しかし、そのクルマは私のマンションの前で止まった。


    そしてそのとき、一通のLINEが届いた。

    ―詩織さん、いま家ですか?今から、会えませんか?

    メッセージを見て、すぐに下に降りた。息を切らしながら来た私に、透君は驚いた表情を見せた。

    「LINE見たわ。どうしたの?」

    すると透君は真剣な表情でこう言った。

    「彼氏いるの分かっているし、イケナイことだって分かってるんですけど…。」

    「え…?」

    「実はゴルフ前日に、彼氏と歩いているの見ちゃったんです。だからこうして僕が付きまとうと、詩織さんを困らせるのかなって…」

    その言葉に、何も返せなかった。この数日連絡がなかったのは彼なりに真剣に考えてくれていた、ということなのだろうか。

    「困らせているのは、分かっています。でも…また、ドライブしませんか?」

    少しはにかみながらも、ストレートに気持ちをぶつけてきた透君は、やっぱりズルい男だなと思う。

    男は平静を装うことでかっこつけようとするけれど、女の心が動くのは、真っ直ぐな気持ちをぶつけられたときなのだ。

    私は改めて、透君への気持ちを確信した。

    「…イケナイことじゃないわ」


    「…え?」

    そう小声で言いながら、私は透君のシビックに乗り込んだ。

    ―Fin.

    ズルい男・透が乗るシビックは、コチラ>>

    ■撮影協力:Q.E.D.CLUB
    ■衣装協力:P1男性 ジャケット¥43,500※オーダー価格〈麻布テーラー/麻布テーラープレスルーム03-3401-5788〉ニット¥33,000〈チルコロ 1901/トヨダトレーディング プレスルーム03-5350-5567〉時計¥800,000〈カンパノラ/シチズンお客様時計相談室0120-78-4807〉デニムはスタイリスト私物 女性ブラウス¥19,000スカート¥20,000〈ともにソブ/フィルム03-5413-4141〉ピアス¥44,723ブレスレット¥6,806リング¥145,834〈すべてアビステ03-3401-7124〉P2男性 シャツ¥29,000〈ジャンネット/トヨダトレーディング プレスルーム03-5350-5567〉デニムはスタイリスト私物 女性 ニット¥72,000〈パニカーレ/トヨダトレーディング プレスルーム03-5350-5567〉デニムはスタイリスト私物

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