青田買いのスゝメ Vol.4

青田買いのスゝメ:年下男とのお会計問題、何が正解?止まらぬ妄想で頭を悩ませる女

結婚に適した男は、30歳までに刈り取られる。

電車で見かけた素敵な男は大抵、左手に指輪がついている。

会社内を見渡しても、将来有望な男は30歳までに結婚している。

そんな現実に気づいたのが、大手不動産会社勤務の奈々子・28歳。

同世代にはもう、結婚向きの男は残っていない。ならば・・・。

そうして「青田買い」に目覚めた奈々子は、幸せを掴むことができるのか?

先週、先輩社員・中村と新入社員・田中の違いに愕然とした奈緒。田中のミスをカバーするため、奈々子も一緒に残業することになり・・・?


ぐぅ・・・。

田中のお腹がなった。

得意先から急に呼び出された高杉課長は帰ってしまい、結局、奈々子は田中と二人で残業している。

「田中くん、パパッと何か食べに行く?」

奈々子が聞くと、田中が目をキラキラ輝かせながら「はい!」と答えた。

そうして会社近くのチェーン店で定食を食べながら、奈々子は田中に質問した。

「田中くんって、なんで不動産会社に興味もったの?」

「僕、世田谷の出身なんですけど、二子玉川の再開発を間近で見てきて、純粋にすごいと思ったんです。そう言う岡田さんは、どうしてですか?」

“福利厚生”という言葉がうっかり出そうになったが、そんなこと新入社員の前で言えるはずがない。

「私も街づくりとかに興味があって、あとはリゾート開発とか、・・・そんな感じ?」

“とか”連発の、なんとも歯切れの悪い答えになってしまった。

特段やりたいことがなかった奈々子は、とりあえず福利厚生の充実した大手企業ばかり受け、縁のあったこの会社にいるのが実情だ。

「ごちそうさまでした」

夕食を食べ終え、奈々子が払おうとすると、田中が奈々子を制して会計をした。

「いいのよ、このくらい」

「金額の問題じゃありませんから。お礼の気持ちです」

【青田買いのスゝメ】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo