彼女になれて、妻になれない Vol.9

地方開業医の妻の座を得た、元マテリアルガール。「東京感」を脱ぎ捨てた彼女の潔さ

元彼の結婚。

適齢期の女性にとって、これほどまでに打ちのめされる出来事があるだろうか。

元彼がエリートだったら、なおさらだ。

どうして私じゃなかったの。私になくて、彼女にあるものって何?

東京で華やかな生活を送るエリートたちが、妻を選んだ理由、元カノと結婚しなかった理由を探ってみる。

先週、元彼・晋平から、家庭的アピールが迷惑だったと言われて落ち込んだ奈緒。さて、今回は・・・?


「Sweet dreams,honey」(良い夢をね)

笠野との電話を終えた奈緒は、彼との日々はいつか醒める夢、まさにSweet dreamsなのかもしれない、と大きなため息をついた。

笠野と一緒にいられるのも残りわずか。笠野は来週金曜日にアメリカに帰ってしまう。

刻一刻と迫る笠野との別れを前に、奈緒はどうしたら良いか、自分でも分からずにいた。

先日の鎌倉デートの帰り道、笠野は照れ臭そうにこう言った。

「奈緒ちゃんが、僕のファム・ファタールみたいだね」

−運命の女、か。

笠野が東京にいるのであれば、悩むことなどない。

笠野は、経済力、ルックス、性格ともにパーフェクト。結婚相手として申し分ない。

しかし、アメリカ在住。それだけが玉にキズだ。

来年30歳になる奈緒にとって、当面の遠距離恋愛と、結婚後はアメリカ移住を余儀なくされる未来は、かなりのハードルと言える。

−今後、年に数回しか会えない相手と遠距離恋愛なんて、続く・・・?

−遠距離恋愛の末破局して、婚期を逃すかも・・・?

「はぁ」

再び大きなため息をついた奈緒は、時間を確認し、慌てて待ち合わせに向かった。

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