忘れられない男 Vol.2

ガリ勉の眼鏡くんが“一軍男”にまさかの昇格!?3年ぶりに心ときめいた女の27歳バースデー

恋の仕方を忘れた女


さすがに社会人だから毎日会いたいとまでは言わないけれど、お互いにその日何をしていたのか、そのくらいは把握していたい。恋人なんだから。

自分は求めすぎなのだろうか。LINEが長すぎる?それとも、LINEじゃなくて電話にするべき?せめて週に1度は会いたいと言ったら重すぎる?

悶々と考えた末に、春香は思わず呟いた。

「ダメだ…恋愛の仕方を忘れてしまった…」

3年間ろくな恋愛もせずにぼんやりしているうちに、恋人同士がどうやって歩み寄り関係を築いていくのか、そんな単純なこともわからなくなってしまった。

祐也の時は、ごく自然にお互いが引き寄せられて、付き合ったその日から毎日一緒に過ごすのが当たり前になった。2人の温度はぴったり一致していたから。

思えば、その祐也とも、大学時代に知り合って付き合い始めた仲だし、春香は27にもなって社会人らしい恋愛をしたことがないのだ。

新しい恋愛に活かせるようなテクニックも教訓も、何も学んでこなかった自分の人生を、恨めしく思う。

—シゲと、うまくやっていけるのかな…。

春香は不安でいっぱいになった。

でも、週末には誕生日がある。最後に会った時に、土曜日は一緒にお祝いしようねと言ってくれたシゲの笑顔を思い出し、祈るような気持ちで1週間を過ごした。



そして、誕生日はついにやってきた。

0時になるや否や、誕生日のお祝いメッセージを真っ先に送ってくれたのは、親友の恵子だ。

—春香、お誕生日おめでとう!過去と決別するのは本当に大変だったと思うけど、これから幸せな未来が待っているよ!

恵子の力強い言葉に胸がじんと熱くなる。恵子、私絶対幸せになるよ、と春香は心の中で強く誓った。

シゲから連絡が来たのは、その日16時を過ぎたころだった。

比べたくはないけれど、嫌でも祐也と過ごした誕生日のことを思い出してしまう。

前日には「前夜祭」と称して祐也は腕によりをかけた手料理を振舞ってくれた。そして0時になる瞬間を共に迎え、翌日の誕生日当日は1日ふたりでゆっくり過ごして、夜にはとっておきのレストランでのディナー…。


一方シゲは、こんな時間になってやっと連絡してきたかと思ったら、おめでとう!のスタンプと共に、店のURLと予約時間だけをポンと送ってきたのだ。

やりきれない気持ちでリンクを開くと、シゲが予約をしてくれたのは、銀座の『スリオラ』だった。

—あっ…一度行ってみたかったスペイン料理のお店だ…!

前回のデートで、スペイン料理が大好きだと言ったのを覚えていてくれたのかもしれない。そう思うと心がほんわかと温かくなる。

過去と比べてちゃいけない。27歳の人生はスタートしたばかり。今、目の前にある幸せと向き合うのが何よりも大切なことだ。

春香は気を取り直してお気に入りのワンピースに着替える。3年ぶりに過ごす恋人とのバースデーはどれほど素晴らしいものになるのかと、期待で胸を膨らませ、銀座へと向かうのだった。


▶NEXT:10月18日 水曜更新予定
新しい恋人と過ごす27歳のバースデーは、祐也との思い出を超えるのか?

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
No Name
春香は27歳の割に幼いような。。そんなマメで気の利く男だったらとっくに相手いるよ笑
2017/10/11 06:1644
No Name
20代前半のべったりな恋愛から時が止まってたから仕方ないと思うけど、振られちゃう前に早く気づいて欲しい!!
2017/10/11 08:0627
No Name
そんな素敵な演出してくれても、突然姿くらます男だよ?!
2017/10/11 08:5024
No Name
脳内お花畑な女w
2017/10/11 06:3520
No Name
祐也はいつ出てくるの?
病気系?!海外行ってた系?!
2017/10/11 13:2710
もっと見る ( 18 件 )

【忘れられない男】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo