年内婚約 2017 Vol.6

“結婚できるイイ男”を探すのは、至難の業。女が利用すべき最良の男とは・・・?

―私、年内に婚約するー

都心で煌びやかな生活を送る麻里・28歳は、ある日突然、こんな決意を固めた。

というのも、麻里は気づいてしまったのだ。

“女は30歳過ぎてからが魅力的?年齢を重ねるほど、色気が増す?”

女の市場価値を冷静に受け止めれば、20代で結婚した方が絶対お得に決まっている。

掲げた目標は“今年中にプロポーズされる”こと。ヤバい元彼に3年間も費やした麻里は本気の婚活を決意したが、優良物件の外銀男広告マンとのデートはうまく行かず、元彼に心なびくものの「結婚」という言葉を出した途端、引かれてしまう。


―俺はもう結婚はしないし、残念だけど身を引くよー

サトシの放ったこの一言が、麻里の頭の中で何度も反芻される。

麻里自身、サトシのような破天荒な男との将来なんて考えたことはなかった。

出会ったのは24歳の若かりし頃で、麻里は彼の少々ネジの外れた“ザ・港区感”が単純に面白く、夜な夜な遊ぶうちに深い関係になっていっただけなのだ。

別れを告げたのも麻里の方からで、復縁を迫られるも、それを断ったのも麻里である。

それなのに、この途方もない敗北感の正体は、一体何だというのか。

別に、サトシに未練があったわけでもない。他に女がいたことが、それほどショックだったわけでもない。(しつこいが、サトシはもともと浮気性だった)

―麻里ちゃん、麻里ちゃん...―

イイ歳したサトシの、舌足らずの猫なで声を思い出す。欠点を挙げればキリがないが、誰より麻里を可愛がり、とことん甘やかした男。

しかし、「結婚」という言葉を口にした途端、彼はガラリと態度を変え、気が抜けるほどアッサリと自分を解放した。

―その時計は、記念に持っててくれていいから...!

サトシは焦りを隠そうともせずにそう言い、1万円札とともに麻里をタクシーに押し込んだ。六本木の彼の家から麻里の住む麻布十番までは、千円ほどしかかからないのに。

理由は分からないが、そのとき麻里は、たしかに深く傷ついた。

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