「リナちゃん、土曜日大丈夫だった?」
週明け、何も知らない美和子が心配そうな顔をしてリナの元へ来た。
改めて見ると、美和子はやはり抜群に綺麗だ。広報の彼女がリナの部署に来ることなんて滅多にないから、周りにいる男性社員は美和子をチラチラと見ている。
「大丈夫です。途中で帰ってしまってすみません」
美和子とうまく目を合わせることができない。
「本当に?」と心配する美和子の、毛穴一つないつるんとした肌に思わず目がいく。
美和子は、リナが教えてあげたクレンジングジェルと同じシリーズのskinvillの化粧水と乳液を使っているという。
「リナちゃん??」
「あ、すみません・・・。そろそろ仕事に戻らないと」
そう言うと美和子は「無理しないでね」と去って行った。
美和子の後ろ姿を視線で追いながら、リナはスマートフォンでskinvillの化粧水と乳液を検索した。
3ヶ月後に、二人の結婚式の二次会に招待されている。それまでに少しでも綺麗になって、哲也を後悔させたかった。
◆
それから、3ヶ月後。今夜はついに、哲也と美和子の結婚式の二次会だ。
リナは出かける3時間前から、準備を始めた。まず初めに湯船にたっぷりのお湯をためてつかり、体を温める。
そのとき欠かせないのは、skinvillのシートマスクだ。お風呂で5分ほど温めると、ホットマスク効果があるのだ。
浴室から出て鏡を見ると、肌は毛穴一つなく輝いていた。この3ヶ月間、シートマスクのスペシャルケアの他にも、skinvillの化粧水と乳液を毎日使ってケアしたのだ。
この日のために、新しいワンピースも新調していた。リナの白い肌を引き立たせる、深いブルーのワンピース。
全身鏡で何度も何度も自分の姿をチェックして、家を出た。
◆
「あれ?リナ、今日は可愛いじゃん」
会場に着くと、同期の亮平が声をかけてきた。亮平は女性の変化に目ざとく気がつく。哲也さんの家にいたときも、リナの元気のない様子に気づいていたのだ。
「今日は、ってなによ・・・!もう」
同期で同じチーム。仲が良いので、憎まれ口も平気で叩く。すると亮平はぼそっとこう言った。
「今日は、来ないと思ったよ」
その言葉に、リナはドキリとした。
開演は18時だが、時計の針は15分を過ぎていた。二人は、少し遅れているようだ。参加者もお酒が進み、会場全体は熱気で包まれている。
そしてようやく二人が入ってきた瞬間、歓声があがり、リナもゆっくりと入口に視線を向けた。