それらは美しい美和子の花嫁姿に対する、称賛の声だったが、リナには一切耳に入ってこなかった。それよりも目に留まったのは、今までに見たことのないくらい、幸せそうな哲也の笑顔だった。
拍手するのも忘れて呆然と立ちすくんでいると、亮平がリナの顔をのぞき込んで聞いてきた。
「どうしたの?」
「私、ふられちゃったみたい」
「・・・何、言ってるんだよ」
ここにきて、ようやく実感が湧いたのだ。もう彼は、リナのいない“次のステージ”で幸せを掴もうとしている。
哲也さんを好きになって、3年目。
3年目の失恋だった。
想いを打ち明けたあの日から、哲也と顔を合わせるのがとても辛くなっていた。しかし今日の哲也の晴れやかな笑顔を見たら、自然と祝福する気持ちが湧いてきたのだった。
この恋の終わりに、清々しささえ感じる。これでもう、哲也から卒業できるのだ。そんな自分に安堵した。
―私も、次に進もう。
リナは、そう決意した。
◆
それから二人の挨拶があり、余興があり、二次会はスムーズに進行していった。料理をとりにいく途中、見知らぬ男性に声をかけられた。
「美和子ちゃんのお友だち?」
会場が騒がしいため、会話をする二人の距離は自然と近くなる。
“哲也さんを後悔させるくらい、綺麗になる”と決めて skinvillを使ってケアを続けていたので、肌の調子はすこぶるいい。見知らぬ異性との接近にも、自信を持って応じられる。きちんとケアを続けておいて本当に良かった、と思う。
10分ほど、哲也の大学時代の同級生だという男と話しこんだ。遠くから、亮平が心配そうな顔をしているのが見えた。
「ねぇ、LINE交換しない?」
リナが皆の元に戻ろうとすると、男は耳元でそう囁いた。
◆
「大丈夫だったか?」
席に戻ると、亮平がすぐに駆け寄ってくる。亮平は、いつもリナの心配ばかりしている。
「ねぇ、亮平っていつも私の心配ばかりしてるよね」
リナが思わず聞くと、亮平は少しうつむいてこう答える。
「だって最近、ずっと元気なかっただろ」
「・・・亮平に、聞いてほしい話があるの。終わったら二人で抜けださない?」
リナの言葉に亮平は少し驚いていたが、「もちろん」と同意した。
会が終わり店を出ようとしたとき、スマートフォンが光った。さっき話していた男からのLINEだった。
―リナちゃん。さっきはありがとう。よろしくね。
リナはそのLINEにすぐ返信を打つと、出口で待っている亮平のもとへ駆け寄った。
亮平とももっと話してみたいし、LINEをくれた男と食事に行ってみてもいいかもしれない。
リナはまだ26歳。「彼氏候補」のカードは、何枚持っていても、いい年頃だ。
3年目の失恋から卒業したリナは、久しぶりの新しい恋の予感に、胸を弾ませていた。
―Fin.
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