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人形町の女 Vol.9

人形町の女:2人が夫婦でいるのは、あと30秒。夫婦が一緒に過ごした最後の日

結婚して家を買い、そして子どもを授かる。

今まで「幸せ」だと信じて疑わなかったもの。

しかしそれを信じて突き進んでいくことが、果たして幸せなのだろうか?

外資系化粧品会社でPRとして働く祐実、29歳。

結婚生活3年目、夫の浮気が発覚したのをきっかけに、話し合いを経てついに離婚を決意した。

今日はかつて住んでいた豊洲の家に、荷物を取りに行く予定だった。


昔、幸せはもっと単純なものだと思っていた。

大学に入り就職し、キャリアを積む。結婚する。
頃合いを見て、子供を授かる。

自分の人生はそうやって順調に進んでいくはずだと、信じていた。しかし自分で決めたことのはずなのに、それを決断する「理由」をいつも探し求めていたのだ。
......


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人形町の女

結婚して家を買い、そして子どもを授かる。

今まで「幸せ」だと信じて疑わなかったもの。

しかしそれを信じて突き進んでいくことが、果たして幸せなのだろうか?

外資系化粧品会社でPRとして働く祐実、29歳。

結婚後豊洲に移り住んだ彼女は、水天宮に参拝した帰りに人形町に立ち寄り、ある思いに駆られ、悩み始める。

これは東京でもがき苦しむ女性の、人形町を舞台にしたある物語―。

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