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人形町の女 Vol.8

人形町の女:“産まない”選択は、未だ理解されづらい。深まるばかりの既婚女との溝

結婚して家を買い、そして子どもを授かる。

今まで「幸せ」だと信じて疑わなかったもの。

しかしそれを信じて突き進んでいくことが、果たして幸せなのだろうか?

外資系化粧品会社でPRとして働く祐実、29歳。

結婚生活3年目、夫の浮気が発覚したのをきっかけに、話し合いを経てついに離婚を決意した。

今日は、かつて住んでいた豊洲の家に、荷物を取りに行く予定があった。


―私たち、もう別れましょう。

純との話し合いから、1週間が過ぎた。両親への報告や豊洲のマンションにある荷物の整理など、やらなくてはいけないことは山のようにある。

特に純の父親は大手新聞社の役員で、真面目で古風なタイプだ。姑である紀子からも「離婚は、考え直して欲しい」と再三......


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人形町の女

結婚して家を買い、そして子どもを授かる。

今まで「幸せ」だと信じて疑わなかったもの。

しかしそれを信じて突き進んでいくことが、果たして幸せなのだろうか?

外資系化粧品会社でPRとして働く祐実、29歳。

結婚後豊洲に移り住んだ彼女は、水天宮に参拝した帰りに人形町に立ち寄り、ある思いに駆られ、悩み始める。

これは東京でもがき苦しむ女性の、人形町を舞台にしたある物語―。

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