2017.07.04
出世の花道 Vol.1秋吉直樹は、老舗大手出版社で編集者をしている34歳。
上智大学文学部から新卒で入社以来、最初の数年間は営業部や販売部に配属されたものの、その後は希望していた通りビジネス書の編集部で、編集者としてのキャリアを積んでいた。
最初のヒット作は、「正しい日本語」をテーマにした本だった。
気鋭の若手コピーライターに目を付け、口説き落とした。
まずは自社のビジネス雑誌でコラム連載を持たせ、連載をまとめたものに加筆してもらい出版した。
最初はなかなか売れなかったが、著名な起業家がSNSで紹介してくれたのを機に、3度の増刷を繰り返した。
その後も同じように、何冊ものビジネス書を手掛けヒット作を生み出した。
もちろん、不発の作品だってヒット作以上にある。それでも、「文芸作品は強いが、ビジネス書は弱い」と言われていた会社のイメージを覆せる程度の実績は出したという自負はある。
だから、そんな自分が文芸誌編集部に異動するなんて、直樹は想像さえしていなかった。
ましてや、他ならぬ武田壮介の後任だなんて、屈辱のようにさえ思えた。
入社当時から相性が悪いと思った男
武田壮介は、直樹の同期。早稲田大学政治経済学部出身の34歳。
入社式の日、直樹が初めて言葉を交わしたのが武田だった。
あまり自分から声をかけない直樹とは対照的に、武田は体育会系の雰囲気丸出しで、誰とでも笑顔で話していた。
新入社員は大抵、入社直後は営業部や販売部に回される。最初から編集部に入れる者はほとんどいない。
直樹もまずは営業部に配属されて、苦手な書店営業に走り回った。
武田も同じ営業部だったため、彼との接点が多かったが、直樹はいつまで経っても武田のことが苦手だった。
武田から飲みに誘われても平気で断っているうちに、誘われることはほとんどなくなった。
同期だからと言って、会社の人間と仲良くするつもりはない。ここは大学の仲良しサークルではないのだ。
それが直樹のスタンスだった。
【出世の花道】の記事一覧
おすすめ記事
2017.11.16
カマトト狂騒曲
カマトト狂騒曲:その女の一挙一動、天然なのか、計算なのか...!?清純派女子アナたちの舞台裏
- PR
2024.11.20
銀座で女性と過ごす夜。アイリッシュウイスキーが引き寄せた、2人だけの密やかな高揚とは
2022.06.24
女たちの本音 ~Goodデート/Badデート~
「この人、ちょっとムリ…」付き合う前のデート中、女性が今すぐ帰りたいと思った理由5つ
2022.10.09
公園の魔女たち〜幼受の世界〜
幼稚園受験の世界に身を投じた親子の結末は…?「公園の魔女たち〜幼受の世界〜」全話総集編
- PR
2024.11.18
総勢100名に当たる!西友&東急ストアで「スプリングバレー」を買って東カレ厳選グルメをもらおう!
- PR
2024.11.21
クリスマスは絶景を望むホテルデートへ!彼女がワッと喜ぶ、とっておきの夜を丸の内で過ごすなら…
2017.06.20
結婚維持活動
「母親みたいな女性」と結婚したつもりの、夫の誤算と苦悩
2022.10.06
The WATCH
The WATCH:「いかにもって感じ」高級時計を愛用する男に女性が痛烈な言葉を浴びせたワケ
2020.05.11
あなたに会える、その日まで
「こんな話ができて嬉しい」10歳以上年の離れた女たちが、仲良くなれた理由
2017.01.14
五反田ラバー
「目黒行こ」にふざけんな?五反田だってランチはある!老舗洋食屋で、交際を迫る
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"
この記事へのコメント