港区内格差 Vol.10

自分を大きく見せるため、どこかに属して身を守る。男たちの港区派閥事情

港区であれば東京の頂点であるという発想は、正しいようで正しくはない。

人口約25万人が生息するこの狭い街の中にも、愕然たる格差が存在する。

港区外の東京都民から見ると一見理解できない世界が、そこでは繰り広げられる。

これはそんな“港区内格差”を、凛子という32歳・港区歴10年の女性の視点から光を当て、その暗部をも浮き立たせる物語である。

港区内で頂点を極めた者に与えられるキングとクイーンの称号。クイーンとなり、港区女子を卒業した凛子は、白金で生まれ育ったお嬢様の格の違いを思い知り、タワマンを去る人々の存在を知るのだった。


港区派閥争い①西麻布チャンピオンクラブ


男というのは何故、何歳になっても考えることが変わらないのだろうか。

どんなに年齢を重ねても考えていることは基本的に変わらず、女性にモテたい、カッコ良く見られたいという欲が湧く。そして自分達が一番だと信じている。

“彼ら”を見ていると、港区という狭い世界で必死に何かを守ろうと、縄張り争いをしているようにしか見えなかった。



「凛子ちゃんは、ゴルフするの?」

今日は美奈子の誕生日会。

『サイタブリア バー』の3階にある個室を貸し切って誕生日会が行われており、隣に座った30代後半であろう、爽やかな笑顔の男性が話しかけてきた。

「以前はしていたのですが...最近はすっかりご無沙汰しております。」

一時期、港区住民は狂ったようにゴルフに熱中していた。男女問わず、ゴルフがコミュニケーションの基本であり、ネットワーキングのメイン手法になっていた。

しかし時代は変わり、近年では急にゴルフ人口が減ったように感じるのは気のせいだろうか。

「俺らさ、ここ界隈で飲んでいる人達集めてゴルフコンペをよく開催してるんだ。今度よかったら、参加しなよ。」

彼らの噂はこの界隈で遊んでいる人ならば一度は聞いたことがあるだろう。若手投資家やクリエイター陣が集う、港区の新進気鋭軍団・西麻布チャンピオンクラブ。

彼らは独自の縄張り、そしてコミュニティーを築いており、その集団に入れる人は経済力だけではなく、波長が合うことが何よりも大事とされている。

「あれ、でも凛子さんって佐藤さんと仲良いんですよね?」

もう一人、別の男性が話しかけてきた。その瞬間に、場の空気が固まったことを肌で感じた。

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