婚活は、ワインスクールで Vol.16

婚活は、ワインスクールで 最終回:極上のワインのように女を満たした、男の一言

やみくもに婚活に励むのは、もう終わり。

ある強かな女たちは、婚活の場をワインスクールへ移した。

スクールに通うほどワインが好きな男は、高い年収を稼ぎ、洗練されたライフスタイルを送っている者が多いはずだ。

ワインの知識を深めながら、虎視眈々と男性を見定める女たち。

果たして、その思惑は実るのだろうか?


婚活のため”表参道ワインアカデミー”へ入学した美咲は、芹那と共にスクール主催のブラインドテイスティング大会に出場することになってしまう。

テイスティングの特訓に付き合ってくれるワインバーオーナー・光一への恋心を自覚した矢先に、光一と芹那のデート現場を目撃し、美咲はショックを受けていた。


表参道ワインアカデミーの修了式当日。

トリを飾る一大イベント・ブラインドテイスティング大会の開始時間は刻々と近づいていた。

ビュッフェ台にずらりと並ぶ色鮮やかなカナッペや、豊富な種類が揃うワインには目もくれず、美咲は何度も繰り返し自分に言い聞かせる。

—あれだけ練習したんだから、大丈夫よね。

光一と芹那のデート現場を目撃したあの日以来、今日までただ黙々とテイスティングの自主練に励んできた。

「それではいよいよ、ブラインドテイスティング大会を開催いたします!」

司会を務める先生の声が、マイクを通して会場中に響き渡る。

「美咲、頑張ってね!」

真千子の声援に、美咲は大きく頷いた。

テイスティング大会は、クラスレベルごとに分けて行われ、美咲は初級者コースの各クラスの代表とともにテーブルについた。

隣の席に座る芹那は、雅彦を中心とする応援団に向かって自信たっぷりに手をふっている。

美咲もおそるおそる顔をあげ、会場を見回すと真千子や研二など、勢揃いしたクラスメートたちの顔が並んでいた。

そしてその後ろには、卒業生である光一の姿も見える。美咲はとっさに目を逸らした。

「それでは、テイスティングを開始してください」

合図とともに、猛スピードでテイスティングシートにコメントを書き込んでいく芹那の気配を隣に感じながら、美咲は強く心に誓った。

—芹那には、負けない。

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