東京・ホテルストーリー Vol.6

東京・ホテルストーリー:30歳目前。絶妙な距離感の恋人関係を覆した、忘れられない夜

東京の女には、ホテルの数だけ物語がある。

「ホテル」という優雅な別世界での、非日常的な体験。それは、時に甘く、時にほろ苦く、女の人生を彩っていく。

そんな上質な大人の空間に魅了され続けた、ひとりの女性がいた。

彼女の名は、皐月(さつき)。

これは、東京の名だたるホテルを舞台に、1人の女の人生をリアルに描いたストーリー。

埼玉出身のごく普通の女子大生だった皐月は、社会人になり東京生活を謳歌していた。しかし、27歳での結婚願望見事に砕け散る。そして彼女の20代も、とうとう終わりを迎えようとしていた。


誰だってそうかも知れないが、30歳を迎える心構えなんて、私は全くできていなかった。

29歳を半分過ぎたあたりから、20代を振り返ることが多くなった。

女子大生だった頃の初々しい気持ち。社会人になりたての、大人の仲間入りを果たしたときの静かな興奮。20代半ばの、まるで世界が自分中心に回っているかのような高慢さと甘ったるさ。

そして20代後半、現実が見え始めたときの、ちょっとした幻滅と、諦めにも似た安心感。

東京で過ごした20代の出来事や経験を頭の中に並べてみると、酸いも甘いもが色とりどりに、綺麗にコレクションされていく。

大袈裟かもしれないが、それはまるで映画「おもひでぽろぽろ」のように、様々な記憶が走馬燈のようにふとよぎるのだ。

そして思う。

私は、20代で、一体何かを成し遂げることが出来たのだろうか?いや、何もできていない、と。

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