港区女子。
それは“女”としての魅力を最大限に利用し、したたかに生きる女たち。
一方、東京では高学歴やキャリアを武器に、自立して生きる女性たちは口を揃えてこう言う。
「私、港区女子になれない」
慶應義塾大学卒、大手広告代理店勤務の篠田涼子(29)もそのうちの一人。そんな彼女の前に現れた、典型的な港区女子・香奈。
よりよって涼子の元カレ・洋輔と同棲を始めた香奈は、洋輔にニューヨーク駐在の話が持ち上がると結婚をちらつかせ涼子を苛立たせる。
香奈への苛立ちを、IT企業経営者で塩顔イケメンの誠に愚痴る涼子。
しかし彼は涼子に「人のことより、自分の幸せを考えたら?」と冷たく言い放ち、涼子は返す言葉がないのだった。
賢いはずの私が、どうして?
カタカタ…
オフィスの営業フロアに出社し、深夜明け方問わず送られてきているメールに返信する涼子は、どうにも指に圧が入ってしまうのを押さえられない。
ふとした瞬間に思い出される香奈の勝ち誇った顔が、涼子の心に荒波を立てるのだ。
「涼子さん、コーヒー飲んで落ち着いてくだ......
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