私、港区女子になれない Vol.12

私の方が結果を残しているのに、なぜ?同期の出世に渦巻く、高学歴女の嫉妬

港区女子。

それは“女”としての魅力を最大限に利用し、したたかに生きる女たち。

一方、東京では高学歴やキャリアを武器に、自立して生きる女性たちは口を揃えてこう言う。

「私、港区女子になれない」

慶應義塾大学卒、大手広告代理店勤務の篠田涼子(29)もそのうちの一人。そんな彼女の前に現れた、典型的な港区女子・香奈

よりよって涼子の元カレ・洋輔と同棲を始めた香奈は、洋輔にニューヨーク駐在の話が持ち上がると結婚をちらつかせ涼子を苛立たせる。

香奈への苛立ちを、IT企業経営者で塩顔イケメンの誠に愚痴る涼子。

しかし彼は涼子に「人のことより、自分の幸せを考えたら?」と冷たく言い放ち、涼子は返す言葉がないのだった。


賢いはずの私が、どうして?


カタカタ…

オフィスの営業フロアに出社し、深夜明け方問わず送られてきているメールに返信する涼子は、どうにも指に圧が入ってしまうのを押さえられない。

ふとした瞬間に思い出される香奈の勝ち誇った顔が、涼子の心に荒波を立てるのだ。

「涼子さん、コーヒー飲んで落ち着いてください。」

後輩・麻里子が、涼子の顔を覗き込みながらスターバックスコーヒーのカップを差し出す。

「麻里ちゃん、ありがとう…。」

頷く麻里子は、こうしていつも涼子を気遣ってくれる。「涼子さんの努力や頑張り、ちゃんとわかっていますよ」そんなことを言ってくれたこともあった。

見てくれる人はちゃんといる。自分は自分のことを精一杯やればいい。頭ではそう思っているのに、なぜこれほどまでに香奈の存在が気に障るのだろう。

涼子が自力で手に入れようとしているバーキンを、男に貢がせたから?

元カレ・洋輔が香奈を選んだから?

しかしそんなこと、涼子自身の幸せや人生に何の関係もない。

人のことより、自分の幸せを考えたら?

塩顔イケメン・誠の言葉は至極ごもっともである。

涼子は、これまでの人生、試験と名のつくものに落ちたことなどない。どんな問題でも適切な判断が下せるだけの頭脳を持ち合わせている。それなのに…。

無意味なことに気を取られる自分を、制御できないのが苦しい。

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