SPECIAL TALK Vol.30

~経営者はよそ見をせずに突き進むべき事業への想いの強さが結果に繋がる~

高度経済成長の真っただ中を過ごしたサラリーマン時代

金丸:高校卒業後は、どうされたのですか?

宗次:不動産会社に就職しました。当時は高校から就職先を紹介されるのが当たり前でしたが、私はあえて自分で探しました。車の免許を取ったばかりだったので、車に乗って回れる仕事がしたいなと思って。求人誌を読みあさり、希望が叶う不動産会社の営業マンになりました。ちょうど50年前になりますね。

金丸:高度経済成長の真っただ中ですよね。不動産は売れたでしょう?

宗次:面白いように売れましたよ。そこで3年ほど働いたあと、大和ハウス工業に転職したのですが、プレハブ住宅が売れに売れるものだから、正社員には臨時ボーナスがたくさん出ていました。契約社員の私は歩合制だったので、売れば売るほど儲かる。だから猛烈に働きました。

金丸:私の父は土建業をしていたので、当時のことはよく覚えています。土地を買えば値上がりするし、開発すべき土地はごまんとある。不動産業って割と簡単にお金を稼げるんだなあ、と思っていました。ところで、ご結婚はされていたのですか?

宗次:大和ハウス工業入社後に妻と知り合い、結婚しました。結婚したら独立しようと決めていたので、23歳のときにマイホームを建て、1階を事務所にして、不動産仲介業をはじめたんです。

金丸:早々に独立されたんですね。

宗次:そうですね。ただ不動産業が順調すぎて、日中何もすることがなくて(笑)。時間を持て余していたので、妻と相談して副業で喫茶店でもやろうか、ということになったんです。妻は社交的で料理も上手だし、すぐに物件を探して、名古屋市内に喫茶店『バッカス』をオープンしました。

金丸:それが、「ココイチ」の原点なんですか?

宗次:そうですね。喫茶店のオープンの日、私は軽い気持ちで手伝っていたのですが、お客様の反応が目の前でわかることに感動してしまって。「もう不動産なんてどうでもいいや!」と飲食業にのめり込んでいきました。

金丸:そこで運命が決まったのですね。

宗次:妻がいなければ、飲食業をやることは絶対になかったです。

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