私、美人じゃないのにモテるんです。 Vol.2

出しゃばる美人はモテない!!「沈黙は金なり」の、モテる女の食事会のお作法

29歳まで、あと1年。結婚に焦り出す女のきもち


28歳の陽菜は、焦っていた。

女が結婚に最も焦る29歳まで、あと1年。何とかしなければ、「30歳までに結婚できなかった女」として、世間から烙印を押される。そんな気がしていた。

「やばいよね」

女子会では、いつもこのワードが飛び出す。皆、本当は何が“やばい”のかも分かっていないはずだ。

Facebookを開けば、ご丁寧に「○歳までに結婚」と自分の年齢にカスタマイズされた広告が表示される。じわじわと真綿で首をしめられながら、選択と決断を迫られていくようなきもち。

化粧品会社には、美人なのに独り身、という人が多い。

「何人か候補はいるけど選べない」
「自分に見合う男がいない」

どんな美人でも年を取ってしまえば、理想を手に入れられない負け犬の遠吠えにしか聞こえない、と陽菜は感じる。

30歳を過ぎた独身者に恋愛話をふらない、という陽菜たち後輩たちの無言の配慮には、憐れみの気持ちが多少なりとも混じっている。

―この間のお食事会は、優良物件揃いだったのに。

陽菜は顔をゆがめる。

―まあいいわ、またすぐに次の出会いがあるでしょ。

スマホの真っ黒な画面を眺めながら、お食事会のことは記憶から消した。



莉乃は、真央と八重洲にある『サラベス』にランチに来ていた。


莉乃たちの会社は、日本橋にある。ランチは基本的に近場で済ませることが多いが、今日は気分転換に少し足を伸ばしてみた。

「この間のお食事会、男性陣全員から梨乃に連絡あったんでしょ?莉乃って本当モテるよね。勝因は?」

真央が無邪気に聞いてくる。

「そうですね…女の失敗は“自分は選ぶ側”って勘違いすることから起こると思うんです」

首をかしげた真央に対し、莉乃は続ける。

「例えば、プロポーズ。体裁上は男性がお願いし、女性が決める。でも現実は、プロポーズをやきもきして待つ女性が多い。タイミングを選んでいるのは、男性ですよね。

恋愛もそう。女性は若い時はたくさんアプローチされるから、“どれにするか私が決める”と勘違いしがち。でも、誰に行くか選んでいるのはそもそも男性ですよね。

だから女性は、 “選ばれる努力”をしないといけないんです」

「なるほど…。でも、陽菜は美人で優秀でしょ。それは選ばれる理由にならないの?」

この記事へのコメント

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No Name
坂口健太郎しか思い浮かばない
2019/05/09 10:341

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