世間では、初デートの街を五反田にすると女の子から冷めた目で見られることもある。
たしかに、五反田はあまりスタイリッシュな街ではないかもしれない。しかし、なんとも味わい深い深みがある街であることも事実である。
五反田という街のディープさにすっかり虜になり、周囲へ五反田の良さを啓蒙し、“五反田ラバー”の布教活動に勤しむ男がいる。
雑誌編集者・健太、29歳。そんな彼の、愛すべき五反田ライフを覗いてみよう。
「五反田ラバー」一挙に全話おさらい!
第1話:恵比寿とか普通すぎ。『おにやんま』へ導かれ、五反田引越しを決意した男
刺激なら恵比寿の街に、自分の仕事に溢れていた。そう思っていた。
だが、入社して2年が過ぎた頃、あまのじゃくな所がある健太は自分の暮らしぶりに疑問がでてきた。仕事に慣れ、恵比寿で夜な夜な集まるメンバーと飲むのもなんだかマンネリとなり、居心地は良いのだが、なんとも言えない焦りもでてきたのだ。
―編集者として恵比寿に住むオレって、普通すぎないか?
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第2話:「だってここ、五反田だし。」デートのはずが、デートじゃない?五反田ラバー、涙を呑む
明日は祐天寺に住む彼女を五反田に呼んだ。どうしても彼女を連れて行きたい店があるからだ。そして、彼女にも五反田を好きになってほしい。そう、まずは彼女を「五反田ラバー」へと導きたいのだ。
恋愛がしたいのか、五反田ラバーを増やしたいのか……。分からなくなる時もあるが、そんな時、健太は自分の胸に言い聞かせる。
―俺は、五反田ラバーと恋愛したいんだ!!
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第3話:「五反田在住」というと、食事会で失笑?東京のシリコンバレー・五反田を舐めんな!
男二人、しばらく黙々と肉を頬張った。
「なあ、五反田って馬鹿にされがちだけど、最近五反田が日本のシリコンバレーって言われてるの知ってる?」
健太が突然口を開いて得意気に言うと、章吾は「なんだよそれ」と興味を持った。予想通りの反応を得て、健太は満足しながら丁寧な説明を始めた。
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第4話:デート2軒目は五反田ヒルズへ!が、朝起きたら記憶ない。五反田ラバー、やらかした?
最初はいいなと思っても、何度か話をする内に違和感を覚えてしまうのだ。出会っても、出会っても、少し進んだと思ったらまた振り出しに戻る。その繰り返しだ。
だが、加代は違った。強烈に惹かれるものがあるのだ。健太が、五反田の街に惹かれたのと同じくらい、それは確かだ。だからこそ、加代に感じたこの想いをそう簡単に捨て去ることはできないのだ。
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第5話:「目黒行こ」にふざけんな?五反田だってランチはある!老舗洋食屋で、交際を迫る
ミネラルウォーターをグラスに注いで、加代に差し出しながら聞いた。
「昨日は、オレたち……」
健太が言うと、加代は顔を隠していたシーツを下ろしながらゆっくりと起き上がる。健太は彼女の表情を伺おうとするが、朝日を浴びて艶めく髪に隠れてどんな表情をしているのか、読み取ることはできなかった。
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