チヤホヤされたい東京妻 Vol.3

チヤホヤされたい東京妻:既婚女性の本音。そう、私たちは、ニーズを確認したいだけ。

結婚して妻になった途端、女はオンナでなくなるのだろうかー

かつてはあれほど自分を求めた夫も、結婚後は淡白になり、ただ日々の生活を営むパートナーになった。

外見に気を遣い、綺麗な女であろうとしても、褒めてくれるのは同じ主婦ばかり。

そんな中、自身の市場ニーズを確認するべく、既婚者限定の食事会に参加した遥。

そこで起業家の藤田と出会う。初めは食事に誘われただけで満足していたのだがー


「じゃあ、かんぱーい!」

マキコは、彼女にしては珍しいやたらとキラキラしたネイルを強調するように、シャンパングラスを傾ける。

今夜の女子会は、恵比寿の『マディソン ニューヨーク キッチン』だ。ここは昼間は子連れも多くサンルームから入る自然光で開放的な雰囲気なのだが、夜は無数のシェードランプが灯り、また違った表情を見せる。

奥のソファ席を陣取り、話題はもちろん先週の食事会へと移行していく。


「さあて、じゃ、誰から告白してもらおうかな」

遥たちのグループの役割分担は明確だ。まず、マキコがその時々で喋りたいことをまくしたて、負けず嫌いの紗弥香も自分の持論を展開し続ける。

少し天然な亜希は空気の読まない発言をしては、場を凍らせるか和ませるかだ。遥はたいていの場合聞き役に徹する。


最初に衝撃の告白で場を沸かせたのは紗弥香だった。

食事会で出会った幹事の同級生だという男と既に2人で食事に行き、毎日LINEでやり取りをしているという。

「野田さんっていうのよ。丸の内で外資系の会計事務所に勤めてるの。本当だったら銀座で食事でもしたいんだけどお互い既婚でしょ。だから東銀座の『とりや幸』に行ってきたわ。」

昔から紗弥香は女子会で一番夫の悪口を言っていた。紗弥香の実家は裕福で、光が丘の戸建ての資金も殆ど紗弥香の親が出している。

こうして女子会に参加出来るのも、着飾れるのも未だに親から結構な額の小遣いを貰っているからだ。

しがないサラリーマンのくせにプライドだけは高く、しかも若いアイドルを見ては喜ぶ幼稚な夫にほとほと嫌気がさしていると言っていた紗弥香。

「野田さんの奥さんも会計士で、野田さんの倍以上稼いでいるらしいの。性格も凄くキツイらしくて、私みたいな女性といると癒されるって言ってたのよね」

得意そうに語る紗弥香の横顔を見て、この人まるで、夫への鬱憤を野田さんと会うことで晴らそうとしているみたい…と遥は思った。

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