“中の上”の悲劇 Vol.11

MARCH男たち。総合商社は受からないので、専門商社へ!なぜそんなに商社にこだわるの?

「一億総中流社会」と言われる日本。

容姿、学歴、収入。全てにおいて「中流」の少し上に位置する人間は口を揃えてこう言う。

「上を見ればキリがないが、知らなければいい世界もある。」

この連載では”中の上”に位置する男女に起きた、さまざまな悲劇に迫る。

これまで登場したのは、年読者モデルの裕美、ワセ女の聡子、大手メガバンク勤務の健介、ネイリストと結婚した直己。今回登場するのは…?


自称“中の上”が似つかわしくない男、英二24歳。


「俺なんて本当、中の上っていうか、中の中の男ですよ。」

まだ若いのに哀愁漂う雰囲気で話し始めてくれたのは、英二24歳。エネルギー系の専門商社に勤める男だ。

彼とは長年の付き合いであるが、「中の上」という言葉が琴線に触れたのか、久しぶりに連絡が来て会う約束をした。彼の人生に......


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