年末の恋のチャンスをGETせよ!広告営業マンが美人編集者にもらった”秘密のお守り”とは?
「ぽっちゃり予備軍の祐樹くんに、これどうぞ」
聡美はスティックを取り出し、祐樹が飲んでいたウーロンハイの中に何かを入れた。
「なんですか、これ?」
「『賢者の食卓』って、わたしの“お守り”。仲良しのモデルやライターは、みんなこれを飲んでるのよ」
――あのときの“お守り”って、これだったんだ。
祐樹はスタジオ撮影で、聡美がこの“お守り”をお茶に混ぜて飲んでいたことを思い出す。
「『賢者の食卓』って何ですか?」
「糖分と脂肪の吸収を抑えてくれるのよ。“ダブルトクホ”って聞いたことあるでしょ。これ一本で食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇が穏やかになるの」
「今日の忘年会のような宴会料理でもこれがあれば安心ってことですか?」
「そう! 食物繊維が摂れていなかったり、脂っぽい食事が続くときでも、スティックタイプの粉末だから、いつでもどこでも食事の時に好きな飲み物に溶かせば、食生活をサポートしてくれるってわけ」
「お酒に入れて大丈夫なんですか?」
「味を変えないからコーヒーでもスープでも、もちろんお酒にも入れていいの。すごいよね! 私のお守りで、健康に気を使ってみたらどうかな、裕樹くん?(笑)」
聡美がどんなに多忙を極めても、健康的で美しいのには、こんな秘密があったのだ。
散々太ったと言われることはショックだったが、聡美が自分の健康を気にかけてくれていると思うと、急に嬉しい気持ちになった。
『ただ飲み物に混ぜるだけか…。これなら続けられるかも』
2軒目のバーで、祐樹はついに聡美に告白!?
忘年会は無事終了し、お店の前で各自解散となった。
「聡美さん、よかったらもう一軒行きません? 僕、奢りますから」
この前の「好き」発言の真相をどうしても確かめたい…。佑樹はお酒がほどよく回って上機嫌の聡美を、思いきって誘ってみた。
「いいね。お店まかせちゃっていい?」
思いがけず、ふたつ返事でオッケーが出た。祐樹は西麻布にある行きつけのバー『テーゼ』に早速予約を入れる。その店は顔なじみの腕のいいマスターがいて、とても雰囲気がいい。そこのフルーツを使ったカクテルは女性ウケも抜群だ。
ふたりはタクシーに乗り込んだ。
――聡美さんに見合う男になってみせる。
祐樹は次の店で、告白するつもりでいる。聡美が持っていた“お守り”が思いがけないきっかけと、チャンスをくれたのだ。