目まぐるしく情報がアップデートされる街・東京。
東京で最新トレンドにアンテナを張り巡らし続けるのは、容易ではない。
彼女たちは、銀座の新しいレストランや、旬なファッション、そして美容アイテムを使いこなし、人生を謳歌する。
トレンドに溺れ、トレンドを愛す女を、人は東京トレンド娘と呼ぶ。
そんな彼女のライフスタイルと恋愛模様を、覗いてみよう。
◆
26歳の美加は亮介と付き合っていながら、どうしても断れない食事会に渋々参加することに。
このことが亮介の耳に入り、怒った彼から「しばらく距離を置こう」と言われてしまう。
落ち込んだ美加が休日に一人で銀座を歩いていると、亮介が見知らぬ女と二人で楽しそうに歩いている姿を目撃してしまい……?!
vol.1:インスタに男の気配はご法度
vol.2:彼とのケンカとキラキラじゃない日常
「どういうこと?」
美加は低い声を出しながら、亮介を下から睨みあげるようにして聞いた。
「私が食事会に行ったことを散々責めておきながら、自分は他にも女がいたの?だとしたら本当に最低なんだけど」
畳みかけるように問い質すと、亮介は驚いた表情で言い訳を始めた。
「え、違うよ、そんなことしないって。落ち着いて聞いてよ」
「この状況で言い訳するつもり?」
美加は、亮介と隣の女性を見比べながら皮肉を込めて言った。
そうして美加と亮介が言い合っていると、亮介の隣にいる女性が「クスクス」と笑いだした。それを見た美加の怒りはさらにヒートアップ。
美加が睨みつけると、彼女は舌をぺろりと出しそうな勢いで首をすくめて知らん顔をするのだ。悪びれる様子は一切ない。
―なんて失礼な女なの。浮気するにしてもちゃんと相手を選びなさいよ。
さすがに声には出さなかったが、心の中で毒づいた。
美加の怒りの矛先が亮介から女性へ移行しようとした時、亮介がひと際大きな声で言った。