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  • 東京トレンド娘 Vol.2

    東京トレンド娘:SNSには決して出さない、彼とのケンカとキラキラじゃない日常

    美咲は「何言ってるのよー」と笑ったが、口元を押さえる左手の薬指ではダイヤモンドが輝いている。美加が憧れる“ホンモノ”だ。

    キラキラと輝くそれは、取り立てて大きなダイヤモンドではないが、逆に相手の男性の誠実さを表しているようにも感じられた。

    「私もその輝きが欲しいよぉ……」

    呟くと、美咲は笑いながら「大丈夫だよ、美加は」と言うのだった。

    「ぜんぜん大丈夫じゃないよ!」

    美加がムキになりながら、亮介との今の状況を話すと

    「インスタを見る限りでは毎日キラキラ楽しそうなのに、そんなことが起こってたなんてびっくりよ」

    と、嫌みでもなく、美咲に正直な感想を言われてしまった。

    「そういえばこれも美加のインスタで見たけど、シャンプーってヘアレシピ使ってるんだね?私もヘアレシピのアップルジンジャー使ってるよ。アップルジンジャーって冬限定だからさ、限定ものに弱い私としては、毎年買わずにはいられないんだよね」

    「わかる、私も限定もの選んじゃうな。でもアップルジンジャーは知らなかった!次はそっちを買ってみようかな」

    「えー、美加が知らなかったなんて意外!」

    落ち込んだ時は普段使っているものを変えてリセットするのも、気分を盛り上げる一つの方法だ。美加は早速スマホを手にして、大手ECサイトで商品を探し、購入手続きを進めたのだった。


    突然の修羅場!彼が知らない女とデート中?!


    亮介とのデートの予定もなく、一人で銀座を歩いていた土曜の昼下がり、美加は信じられない光景を目にした。

    美加の視線の先には、亮介が女性と二人で仲良さそうに歩いている姿があったのだ。二人で並んで歩き、女性は満面の笑みを浮かべている。一緒に歩いているのは、美加とは違うタイプの可愛らしい女性だ。


    ―もう新しい女ができたの?!
    ―まさか、私と同時進行だったんじゃないの?!
    ―だったら絶対許せない……!

    美加が食事会に行った事を許さなかった亮介が、実は自分はそれ以上のことをしていたのではないか……。

    そう考えて頭に血が上った美加は、考えるより先に身体が動いた。二人を目がけて一直線に進み、道を塞ぐように立ちはだかると、亮介と女性は驚き、顔を見合わせた。

    さらに女性の方は何かの危険を感じたのか、咄嗟に亮介の袖を掴み彼の後ろに隠れるような仕草を見せた。

    それを見て怒りと悲しみに震える美加は、亮介を睨みながら大きく息を吸い込み口を開いた。

    「どういうこと?」

    低い声で言うと、亮介と女性は気まずい表情で顔を見合せたのだった。


    次回12月23日(金)更新
    修羅場を迎えた美加と亮介。だが、意外な展開が美加を待っていた……?!

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