Thursday:初めての狂言鑑賞。こうして大人の女性の嗜みを身につけていくのかな
ホテルをチェックアウトしたら、有給を使って初めての狂言鑑賞へ。
日本の伝統芸能に興味が湧いてきたこの頃。今日はアメリカン・エキスプレスのカード会員限定イベントを使って、初めての狂言を楽しむ。
以前から予約して楽しみにしていたものの、今の恋に悩む自分に狂言を楽しむ余裕なんてあるのかと思ったが、これが大正解。昔は恋をしたら頭の中はそれでいっぱいになってたが、少しの余裕は持てるようになった自分に驚いた。
―あの頃よりはちょっと大人になれたのかな。ぞうだ、帰りは表参道を歩いて土曜日に着る洋服でも買おう!
Friday:いつか彼とも行けたらいいな。デート前日、膨らむ妄想
明日のデートに備えて、週末だけど今夜はゆっくり自宅で過ごす。だが、何かしていないと落ちつかず、母親の還暦祝いに「アメリカン・エキスプレス・トラベルオンライン」を使って旅行の手配をすることに。年末は母親と女二人でグアムに行くのだ。貯まったマイルも使えば格安で行けるため、お得に休暇を楽しむ予定。
―いつか高志とも旅行に行ってみたいな……なんて、まだ気が早いか。
手配が終わると早めにベッドに入る。だが、なかなか寝付けず、久しぶりに長いと感じる夜を過ごした。
Saturday:ついにデート当日!でも、これってデート・・・?
高志が予約してくれていたのはライブ・レストラン『COTTON CLUB』。今まで行った二人の食事とは明らかに違うシチュエーションで、戸惑いながらもはるかの期待はどんどん膨らむ。
カップルだらけで雰囲気も抜群の店内。目の前では有名アーティストの公演を観ながら食事を楽しめる、何とも贅沢なひと時。
どうやら高志もアメリカン・エキスプレスのカード会員らしく、はるかはこれが会員限定のイベントだということにはすぐに気付き、高志との共通点があったことを密かに喜んだのだった。
だが、二人の会話は今までとあまり変わりがなく、はるかはなんだか肩すかしをくらった気分を味わった。
2軒目のバーに期待をかけたものの、やはり特別な会話はゼロ。
―これって、デートじゃなかったのかな……?!
Sunday:女友達を招いてホームパーティ。その時、二人の関係が静かに動き出す!
今日は女友達二人を招いて自宅でパーティ。特別な日にしか行かない高級スーパーで買い物を済ませ、舌の肥えた友人たちを唸らせる料理を作ろうと張り切る。
パエリヤがあまりにもよくできたため、写真を撮って高志にも送ってみた。昨日の消化不良のデートの思い出を払拭したくて、とにかく何か会話を探していたのだ。
写真を送るとすぐに高志から返事が来た。
“美味そうだね。今度俺にも作ってよ。”
スマホ画面を見ながら一人で照れていると女友達に気付かれ、根掘り葉ほり聞かれることになってしまった。はるかはこの1週間の出来事を話すと、友人たちから面白そうに冷やかされてしまった。
その間に、さらに高志からのメッセージが届いた。
“クリスマスも一緒に過ごしてくれないかな?”
これを見た3人は、ジェットコースターに乗った時のように「キャー」と大きく声を上げた。
「まだそんなんじゃないから!」
はるかが声を張り上げても、友人たちはお構いなしのようだった。ひとしきり盛り上がると、この日2度目の乾杯をした。はるかは、ぶつかるグラスの音を聞きながら、高志に返信する言葉を考えたのだった。
(おわり)
■衣装協力:1ページ目/黒ブルゾン¥30,000(ダブルスタンダードクロージング/フィルム03-5413-4141)ベージュラメニット¥20,000 ボルドープリーツスカート¥24,000 茶ステッチショルダーバッグ¥29,000(すべてボッシュ/ビー アビリティ03-6748-0336)2ページ目/グレーコート¥59,000 ネイビーボウタイブラウス¥16,000 ネイビーストライプスカート¥16,000 青ショルダーバッグ¥24,000(すべて22 オクトーブル03-6836-1825)3ページ目/白タートルニットワンピ¥21,000(22 オクトーブル03-6836-1825)