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  • ファブリーズ男の逆襲 Vol.1

    ファブリーズ男の逆襲:パーフェクトヒューマン小倉。“あれ”がクサいと振られた苦い過去

    東京都港区に「F4」と呼ばれる、最強のアラサー男たちがいる。

    ーベンチャー経営者や外資系金融、そういった男たちばかりが主役では困る。俺たちは、誇り高き外資系メーカーのブランドマネージャーだ。

    その自覚に違わず、ミスコン出場者から女子アナまで、ハイスペックな女たちを次々と落とし、スーパーマリオ状態でモテを謳歌する。

    なぜ、彼らはそこまでモテるのか?

    彼らが「F4」と呼ばれるのは、「フラワー」ではなく、「ファブリーズ四天王、ファブリーズ4」の略称。

    どうやら彼らのモテと、ファブリーズには、密接な関係があるらしいが真偽のほどは定かでない。ならば、この物語でF4たちの秘密を一人ずつ紐解いてみよう。


    きっかけは、ある一人の女の出現だった・・・


    金曜日、22時。久しぶりにF4全員が顔を揃えた。

    4人は六本木の『An』で極上の肉を頬張りながら、ビールを喉に流し込んでいた。

    F4リーダーの小倉義男(30歳)を筆頭に、辻啓介(27歳)、高田大和(28歳)、渡部和彦(35歳)の4人は、外資系メーカーでブランドマネージャーを務めており、公私に渡って強い絆で結ばれている。

    全員、高いコミュニケーションスキルを持ち、おまけに爽やか。仕事も着実に成果を出しながら順調にステップアップを続けており、社内でも注目を集める4人だ。



    「最近、広報に可愛い子が入ってきたよな。」

    ビールをごくりと飲んで、リーダーの小倉が言った。

    小倉は社内史上最速、入社5年目でブランドマネージャーに抜擢された、敏腕マーケター。慶應義塾大学を卒業後、外資系投資銀行の内定を蹴って、今の会社に入社した。イケメンでリーダーシップもあり、まさにパーフェクト・ヒューマン。そしてF4を結成したのもこの男だ。

    「知ってる、ユイちゃんだろ?」

    最初に反応したのは、早稲田政経出身で5大商社の内定を辞退した辻。マイルドな物腰で場の空気を読み、カラオケで脱ぐなど率先して汚れ役も買う帰国子女だ。

    「へぇ、知らないなぁ。」

    この話題にあまり興味がなさそうに、肉を網に乗せながら高田が言った。東京理科大の大学院出身で、現在は社内コンサルでデータ分析を担当している。冷静沈着、読書好きで、世界史を一から勉強しているほど知識欲旺盛な男。

    「そのユイちゃんって、どんな子?」

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