秘書の秘め事 Vol.11

秘書の秘め事 最終回:一癖も二癖もある上司の変化球を、華麗に打ち返してやる。燃える秘書の野望

人は、「秘書」という仕事に、どんなイメージを持つだろうか。

社内を彩る女性らしい花形の職業、腰掛OLのような楽な仕事?もしくは単なる雑用係?それとも......?

女としての細やかな気遣いやホスピタリティが試される、秘書という仕事。そして、秘書たちの視点から見る、表舞台で活躍する男たちの裏側とは...?

丸の内OL「秘書」というオシャレな肩書きに多大な期待を抱き、転職を決意したミドリ。入社当初は慣れない秘書生活に戸惑うが、上司の村上とのが 距離も縮まり、ミドリは秘書として成長を遂げた。そして最終回。ミドリが耳を疑った、まさかの知らせとは...?


「ねぇ、ミドリさん、製本は終わった?会議の場所は?地図は?車は呼んでくれたよね?!?!」

普段はおっとりとした性格の村上だが、今日は朝から妙にザワつき、イライラを隠せずにいた。

理由は、滅多にオフィスには来ないという、大御所のコンサルタント兼創業者・新堂英治が出社するからだ。ミドリも一緒になり、朝からオフィス内を駆け回っている。

普段オフィス内では、実質、村上がトップである。しかし、久しぶりの大御所の登場により、村上は気が張っているのだろう。そう、思っていた。

「このプレゼン、何箇所か直しを入れたから、全部刷り直して!15分後にはオフィス出るからね!」

ミドリは今しがた命じられたばかりの製本作業の、やり直しを言い渡された。

15分で手作業の製本をすべてやり直しとは、半ば無茶振りであったが、ミドリは髪を振り乱し、なんとか村上を会議に送り出した。

しかし案の定、彼はオフィス入口に財布と携帯を置きっぱなしで出て行き、ミドリはまたしてもハイヒールで全力疾走し、ギリギリで村上が乗り込んだ発車寸前のタクシーのドアを叩く羽目になった。

上司がバタバタしているときは、秘書も例外なく振り回される。機嫌が悪ければ、秘書はサンドバックにもなり得る。それはもう、暗黙の公式のようなものだった。

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