雑食系男子・植木くん Vol.10

雑食系男子・植木くん:多分一生彼女には勝てない。男が結婚を決めるとき。

年収4,000万円の眼科医、青山ヒロムとタッグを組んで東京恋愛ジャングルを楽しむ雑食系男子・植木くん。

しかし、あろうことか、彼は青山ヒロムに想いを寄せる菜々緒を愛してしまった。美しく猟奇的な彼女に恋をした植木くんの運命は・・・?

男が戸籍をも差し出すとき。


男は、できるだけ自由でいたい、結婚したくないなんてのは都市伝説で、それは、そこまで夢中になれる女に出会えていないからです。僕は、一生結婚どころか、彼女だっていらないと思っていました。

だけど、自分にとって、雲の上のような、背伸びしても手に入れられないかもしれない、そんな女性に出会ったとき、男は、一も二もなく、その女性を手に入れようと躍起になって決意を固めるわけです。

その女性を手に入れられるのであれば、通帳だろうが、戸籍だろうが、喜んで差し出すのだと思いますよ。


「何で、ハリーウィンストンなの?」

一世一代のプロポーズをしたつもりの僕に、菜々緒さんから返ってきた言葉がこれでした。

サラリーマンが平均的に送るエンゲージリングの平均購入価格は半数が20~40万円、0.3カラット程度が相場だと聞きました。が、僕が彼女に送ったのは、ハリーウィンストンの0.7カラット。お値段150万円。

類稀な美しさを持つ僕の彼女にアベレージを送るわけにはいきません。やはり、女王の貫禄漂う菜々緒に相応しいのは、ハリーウィンストン以外にないだろうと自信満々だった僕の鼻をへし折るような菜々緒の言葉。

「代理店って、クライアントの希望を最大限汲み取るものじゃないの?結婚をあなたが申し込む場合、クライアントは誰?」

「・・・菜々緒だよね。」

「だったら、私の希望を最大限に汲み取る提案をしなさいよ。女だったらとりあえずハリーウィンストン送っておけば間違いないなんて安直なのよ、考えが。」

ロマンチックでドラマチックなプロポーズが、何故か、上司からの詰めのような張り詰めた空気になっていることに呆然とします。ボーナスを全額つぎ込んだハリーウィンストン。僕の財布が泣いています。

【雑食系男子・植木くん】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ