マンションサプリ Vol.7

即日完売?予定価格?新築マンション販売用語のウソ・ホント

「お勧めプラン」はなぜお勧めなのか?

チラシやHPに、「お勧め間取り特集」や「ピックアッププラン」などと、特定の住戸をオススメしているケースがありますが、これに関してはご察しの通り、まず売れ残り住戸と思って間違いありません。
また営業マンが特定の間取りに促そうとしている場合も、その可能性が高いでしょう。

一般的に広告物に載せる間取りには、2つの目的があります。


①万人受けする人気の間取りを載せて、物件としての魅力をアピールする

②売れ残りの間取りや、クセのある間取りを載せて、その間取りに関心を示す人からの反響(来場)を一本釣り式に獲得する


①は、「資料請求受付期間」や「グランドオープン」時など、幅広く反響を獲得する際によりその傾向が強まります。一方で②のような打ち出し方は、申込登録直前などで、ダイレクトにその間取りを求めてくる人を探しているときに掲載することが多いです。

新築マンションの場合、多くが青田売り(未完成販売)となりますので、使い勝手のイメージを湧かせるためにも、間取りについてはプロの意見に耳を貸すべきと筆者は考えますが、あまりにも特定のプランを“ゴリ押し”されるような場合には、少し冷静に考えてみても良いかもしれません。

なぜ「FP相談」が無料なのか?

モデルルームに来場すると、「今後のライフプランの見直しや、予算の決定のために、一度FP(ファイナンシャルプランナー)との個別相談を無料ですので受けてみませんか?」と勧められることがよくあります。

不動産会社がわざわざ勧めるのは、


①FPを通してヒアリングすることにより、資金内容や物件の検討度合いなど、より顧客の本音が聞きやすい

②FPを通じてコンサルティングすることで、予算をコントロールしやすくなる

③FP相談をフックに呼び込めば、次回の予約も確約でき、商談の機会を再度得ることができる


という理由があるからです。ちなみに、FP相談中は営業マンは通常離席しますので、お客さんも本音が出やすいですが、言うまでもなく営業マンとFPは繋がっていますので、全て筒抜けとなります。

「このお客さんの予算アップ(ダウン)に協力してください」と、都合よく営業マンが依頼しているケースもあるでしょう。

では逆に、FP側はなぜ不動産会社にそこまで協力するのでしょうか?決して、報酬をもらっているわけではありません。じつは彼らの多くは、AFPやCFPといったライセンスを保有した“保険会社の営業マン”なのです。

保険会社の営業マンからすれば、住宅の一次取得層(30~40代くらい)と接触するチャンスを得られるわけですし、家を買う・買わないにかかわらず、関係性が深まれば営業成果に繋がる可能性が高まります。そしてマンションの営業マンに協力することができれば、また別のお客さんの紹介を受けられる……といった相互関係にあるのです。

もちろん、このFP相談の内容にものすごいズレや間違いはないと思いますが、本当に自分の予算や、将来のファイナンシャルプランニングを見つめなおしたい方は、不動産会社や保険会社とは関係性のないFPと相談する方が、より客観的な提案を受けることができるでしょう。

まとめ

以上、新築マンション販売の裏側の事情をお伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?住宅購入は人生における大きなイベントですし、不慣れなことが多いので、営業担当の方にはいろいろ頼ったり質問をしたりするべきです。

一方で、買い手側は素人につき、過度な営業や情報操作による後々の不満・クレームが後を絶たないのも事実ですので、くれぐれも「冷静な判断」を心がけて購入に挑みたいものです。

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