港区ラブストーリー Vol.4

港区ラブストーリー:2009年、麻布十番での半同棲。LOVE SONGは鳴りやまない

東京都港区。

東京の中心であるこのエリアには、数多くの“ロマンス”が詰まっている。ドラマみたいな出来事や、ドラマ以上の出来事が港区で過ごしていれば、降りかかってくることもある。

この“港区ラブストーリー”では、2007年に出逢った26歳の女と24歳の男の2016年までの恋模様を描き出していく。

2007年、麻布十番で知り合った、ラジオ局勤務のさとみとテレビ局でADをしている潤。さとみに一目惚れした潤は、告白するもあっさりフラれてしまうが、ある日、さとみの仕事のピンチで潤に助けられたのをきっかけに、さとみも潤のことが気になるようになり、2008年、元麻布の路地裏から二人の交際が始まった。

2009年、二人の恋の行方は…?


麻布十番納涼まつりを訪れ、潤とさとみはビールを飲みながら手を繋いで歩いていた。

まずはビールで乾杯し、きゅうりの一本漬けを二人でぽりぽり齧りながら、次に食べたいものをあれこれ言い合う。まだ明るい時間だからか、この熱気のせいか、いつもより酔いが早く回り、さとみはすでに気持ちよくなっている。

潤は「次は焼き鳥食べたい」と言って列に並ぶが、目では焼き鳥の次に食べるものを探すべく近くの屋台を物色している。潤は、ビールももう2杯目だ。

「飲んでも飲んでも、汗ですぐに流れ出る」

いつも以上に喉を鳴らしながらぐびぐびビールを飲む彼を見ていると、つられてさとみも2杯目のビールを買った。

腹ごしらえが済み、一旦人混みから逃れようと麻布十番稲荷に行き、お参りをした。ついでに引いたおみくじは、さとみは末吉、潤は大吉。

大吉にはしゃぐ潤は、とても子供っぽくて、さとみの心をイラつかせることもあるが、概ね今日のようにほんわかとした気持ちにさせてくれる。

「来年は絶対浴衣、着てよ」

潤はさとみの浴衣姿を見たいと何度も言ったが、それは却下されていた。

「あれ、歩きにくいし意外と暑いのよ」

花より団子派のさとみは、浴衣へのハードルが高い。「じゃあ来年、浴衣プレゼントするから」と潤が言っても「本当にやめて」と本気で嫌がる。

お参りを終えてもう一度商店街へ戻り、よく冷えた白ワインを買うと、それを飲みながら一緒にさとみの部屋へ帰ることにした。

帰る途中、メインステージからだろうか、久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」が聞こえてきて、潤はナオミ・キャンベルのパートを変な高い声で歌い始める。さとみが「気持ち悪い」と言うと、アイアンクローをかまされた。

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