港区ラブストーリー Vol.3

港区ラブストーリー:追いかける恋愛とはサヨナラ。元麻布で感じたTRUE LOVE

東京都港区。

東京の中心であるこのエリアには、数多くの“ロマンス”が詰まっている。ドラマみたいな出来事や、ドラマ以上の出来事が港区で過ごしていれば、降りかかってくることもある。

この“港区ラブストーリー”は、2007年に出逢った26歳の女と24歳の男の2016年までの恋模様、“あの日、あの時、港区で”の様子を描き出していく。

前回までのあらすじ
2007年、麻布十番で知り合った、ラジオ局勤務のさとみとテレビ局でADをしている潤。さとみに一目惚れした潤はさとみに告白するもあっさりフラれ飲み友達となっていた。

ある日、さとみは仕事のピンチを潤に助けられ、お礼を兼ねて珍しくさとみから食事に誘うが、なんだか潤の様子がおかしい。潤に他に好きな人でもできたのかと思うと、さとみの心はざわついて…。


2008年:リーマンショック


2004年のアテネオリンピックで「チョー気持ちいい」と叫んだ彼が、この年に開催された北京オリンピックでは「なんも言えねえ…」と声を絞り出している。

テレビで彼のインタビューを見ながら、さとみは思わず涙ぐんでしまった。

—彼の4年間と、私の4年間…。同じ時間なのに私は何をしてたんだろう…—

不毛な恋に費やした時間を思い、悲しくなった。こんなに落ち込むのは、潤と最後に会った時の、彼の態度が気になっているから、というのも大きい。さとみは潤のことばかり考えている自分に気付いて、頭に浮かぶ彼の顔を追い払う。

あんなに好きだと言ってきた彼が、前回会った時は上の空で様子がおかしかった。潤からの誘いを断ることが多いさとみが、珍しく彼を誘ったのにだ。拍子抜けするほどさとみに興味がなさそうで、目も合わせてくれなかった。

追いかけられると逃げたくなるのに、こちらが逃げている最中に急に足を止められると心配になる。いや、心配どころか「あれ、何か悪い事した?」と不安になる。考えまいとするほど、気持ちはそちらに傾いてしまう。

—私ってこんな面倒臭い女だったけ?—

そう考えて、また落ち込む。だが、そんなソワソワ気分も長続きせず、仕事に追われていると徐々に、彼のよそよそしかった態度なんて忘れてしまえた。

さとみが日々の雑務に追われている間に、アメリカでリーマン・ブラザーズが破綻した。ニュースでは大きく騒がれているが、さとみには事の重大さがピンとこない。

それよりも、仕事でのミスが重なり落ち込んでいた。「この仕事、向いてないのかな…」と落ち込むことも多く、こんな時に慰めてくれる相手が欲しかった。女友達と飲みに行くだけでは発散しきれない、癒しと潤いが欲しいのだ。

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