2016.07.22
港区ラブストーリー Vol.1東京都港区。
東京の中心であるこのエリアには、数多くの“ロマンス”が詰まっている。ドラマみたいな出来事や、ドラマ以上の出来事が港区で過ごしていれば、降りかかってくることもある。
この“港区ラブストーリー”は、2007年に出逢った26歳の女と24歳の男の2016年までの恋模様、“あの日、あの時、港区で”の様子を描き出していく。
2007年:ミッドタウンがオープンした年
時は2007年の東京。第1回東京マラソンが開催され、六本木に東京ミッドタウンが華々しくオープンしたその年に、ある一組の男女が港区で出会った。
◆
さとみは会社のデスクで深いため息をついた。目の前の画面に映るエクセルの表をぼんやりと眺めては、また一つため息が出た。
さとみのこの無気力状態は、先月から始まっていた。テレビで「おバカキャラ」がもてはやされ、どこかの知事が言った「どげんかせんといかん」が国民の心を鷲掴みにしている頃、さとみの恋が終わったのだ。
相手はさとみと同じ、港区にあるジャパン放送というラジオ局で朝の看板番組のディレクターをしている男だった。26歳のさとみより7歳年上の33歳。さとみが24歳の時から付き合いだし、その蜜月は2年で幕を下ろしたことになる。
終わりが来ることは初めから分かっていた。さとみもこんなに長く続ける予定はなく、憧れの先輩との若気の至りだと思っていた。彼には妻がいたし、離婚する気はないとも言われていたからだ。それでも、ダラダラとこの関係を続けていると、彼との未来を期待してしまう自分がいた。
だが先日彼から、奥さんが第一子を妊娠したことを告げられた。そして、彼との関係は完全に終わったのだ。
編成部に所属するさとみは、会議で彼と顔を合わせることも多い。いくら平静を装っても、やはり彼の顔を見ることはできないし、胃がキリキリと痛む。この状態が1カ月ほど続いているのだ。
そんなさとみを見かねて、同期の菜々子が飲みに誘ってきた。彼女にも、恋の相手は秘密にしていたが、細い所はぼかして失恋の話は伝えていた。
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