亜希子が32歳の時に言われた一言とは…!?
「私も美咲の年齢の時は悩んでたわよ。20代の頃は若さって言う天然の再生力で肌だってカバーできた。仕事もプライベートもただ可愛い、若いというだけで通用したと思う。
でも、30手前から急激に変わるのよね。前日のお酒や疲れ具合、ケアの仕方で朝起きた時の肌が全く異なる。仕事で結果を出すほど、忙しいから化粧が全くのらなくて、何のために働いてるんだろう、って」
「それ、今思ってました…」
「美咲、普段贅沢って何かしてる？」
「うーん、お気に入りの靴を買ったり、洋服買ったりが多いかな…」
「それも良いけど、贅沢な時間を過ごす方が、より豊かな気分に浸れる気がしない？ 今、美咲が綺麗にしたいのも、同窓会っていう素敵な時間を過ごしたいからでしょ？」
亜希子が32歳の時は、まさに広報室に異動になった頃。いつしか、目先の事を一生懸命やることで全ての時間が埋まってしまい、女性としての魅力に自信が無くなってしまった時に、当時の先輩に亜希子も相談したというのだ。
「その時言われたの。〝今の自分のレベルよりも少し上の贅沢に身を投じなさい。環境は自分をそのレベルまでブーストしてくれる、女の特効薬だから“って」
そう言って亜希子は悪戯っぽく笑った。
「亜希子さんの特効薬ってなんですか？」
