東洋経済・東京鉄道事情 Vol.18

何度行っても訳がわからない、都会のダンジョン新宿駅で絶対に迷わない方法を伝授

東口と西口をつなぐ北連絡通路は、東西をつないでいるか

新宿駅を東西に自由に行き来できるようになれば、かなりレベルの高い「新宿通」と言える。この道を知っていれば知っているだけで、新宿駅を苦と思わなくなり、逆にこれを知らないと、新宿駅は万里の長城よろしく、鉄のカーテンのように立ちふさがる。

新宿駅の東西の渡り方は、7通り。北から順に並べると、以下のようになる。

①大ガード(靖国通り)
②角筈ガード(旧青梅街道)
③メトロプロムナード(新宿通り、地下鉄丸ノ内線)
④北連絡通路(JR新宿駅構内)
⑤中央連絡通路(JR新宿駅構内)
⑥南口跨線橋(甲州街道より北)
⑦新南改札・新宿サザンテラス(甲州街道より南)

③④⑤は地下にあり、そのほかは地上にある。④⑤はJR新宿駅改札内なので、ここを使うには切符が必要に。

抜け道にはそれぞれ個性があるので、ここで全てを紹介したいところだが、JR新宿駅の顔とも言える東口改札と西口改札を結ぶ④北連絡通路について説明したい。他については詳しく上原大介氏との共著「新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか」(SB新書)に書いてあるのでそちらをお読みいただきたい。

北連絡通路(「青梅連絡通路」ともいう)は、地下で東口改札から西口改札を結ぶ、JR新宿駅の大動脈であり大黒柱だ。ここが機能しなくなったら新宿駅は新宿駅でなくなる。

北連絡通路が繋ぐ東口と西口は、ずらりと並んだ改札機が幅をきかし、まさに新宿一の改札として横綱の風格を醸し出している。こんなに多くの横並びの改札機を一斉に人が通る様子は、世界でもなかなか見られない。これも新宿駅ならではの光景だろう。

北地下通路は、東西を繋ぐための連絡通路というよりは、改札と各プラットホームを繋ぐための通路であるが、東口と西口の改札が同じ連絡通路を共有していることから、結果として東口と西口が繋がった。

このように成り立ちが分かれば、ここを東口から西口(逆もしかり)へ通り抜ける抜け道として使用することができるが、駅側にしてみればあまりして欲しいことではない。

東口改札を出ようと思っていたのに間違って西口改札から出ようものなら、新宿駅の地下を知らない人は即、新宿の迷宮に足を踏み入れることになる。ここをうっかり間違えたり、あとで紹介するリカバリーのための抜け道も知らないでいると、新宿ダンジョンの泥沼から抜け出せなくなる。

もしもここで迷ったら、腹をくくって切符代をもう一度支払い、間違った改札を戻って正しい改札へ行くのが賢明だ。実はそれが最良の抜け道とも言える。この北連絡通路が自由に行き来できたらどんなに良いことか。ところがその夢のような話が実際に現在進行中なのである。

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