一流のプロが集結!ありえないほど贅沢なビアホールを考えてみた

ビールのアテに選びたくなるのは、やはり食べ慣れた定番メニューだったりする。だがせっかく『TCブルワリー』で看板メニューに掲げるなら、実力派シェフに“ビールに合う”よう改良してもらいたい!

そんな妄想を膨らませてビールのアテ代表選手「ポテトサラダ」と「鳥の唐揚げ」を名店のシェフに考案してもらったら、こうなりました!

ひと口ごとに味の変化が楽しめる特別なポテサラ。上層はゆでたまご。ゆでたまご特有のねっとりした食感を緩和するため、黄身は裏ごしに、白身はほろほろに砕いてある

『イカロ』 宮本義隆シェフの「ポテトサラダ」

酸味を効かせたさっぱり系ポテサラ

イタリア料理が専門で、ワインに精通する宮本さん。実はプライベートではかなりのビール好き。

「のどごしのいいラガー系や、さっぱりした白ビール系が好き。僕にとってビールは食前酒。本格的な食事の前に1〜2杯ガーッと飲んで、渇いたのどを潤す感じ」。

そんな宮本さんにオーダーしたのは、日本のお惣菜の大定番、ポテトサラダ。ポテトサラダというメニューに期待する〝なじみ深い味〞は守りつつ、ビールにマッチするスペシャルな味にという希望に合わせ、考案してくれたのが、上にたまごを散らしたケーキのようなかわいらしいひと皿。

ホール担当の兄と2人で営む、北イタリア料理の郷土料理で人気の『イカロ』オーナーシェフ。「炭酸で食欲を増進させるという意味からも、“駆けつけ一杯”的なビールの飲み方、好きですね」

「マヨネーズたっぷりだとビールには合わない。酸味を効かせてさっぱりした味に仕立ててみました」

粉ふきにした男爵イモに加えたのは、食感が残る大きさに刻んだピクルス、エシャロット、オリーブ、アンチョビ、ケッパー、パセリ。味付けは少量のにんにくとオリーブオイルに塩・こしょう、白ワインビネガー。のどごしを引き立てる爽やかな酸味が新しい!

アンチョビやピクルスにも塩分があるから、味はしっかりめ。常温で出すのも冷えたビールのうまさを引き立てるポイントだという。

どこかセクシーささえ感じるひと皿は、見た目からして“唐揚げ”のイメージを打ち破る仕上がり。作り手のこだわりが表れた深みのあるクラフトビールには、こんな上品なひと皿がよく似合う

『ル・マンジュ・トゥー』 谷 昇シェフの「鳩の唐揚げ」

深い味わいのビールに負けない個性派唐揚げ

日本のフレンチを代表するシェフ・谷さんへのオーダーは、「〝鳥の唐揚げ〞を、クラフトビールに合うようフレンチ流に仕立ててください」というもの。出てきたのは、鳥は鳥でも、なんと鳩の唐揚げ!

「鶏肉に衣をつけて揚げる料理って世界各地にあるけれど、フランスでは鶏肉といえば大抵はロースト。いわゆる〝唐揚げ〞ってないんですが、これ、鳩肉でやってみたらおもしろいんじゃないか、と」

淡白な鶏肉に比べ、鳩肉は肉そのものの味わいが強い赤身。胸肉ともも肉に、しょう油とショウガのジュースで下味をつけてあるが、食べたとき、しょう油の存在感がわからない程度の隠し味レベル。味の決め手はやはりソースだ。

科学的な理論や歴史的背景なども調理法に生かす、フレンチ界きっての理論派。意外にもアルコールにはあまり強くないそうで、プライベートでは気分や料理に合う酒を少量嗜む程度だとか

「ソースにビールを使おうか、ちょっと迷ったけれど、クラフトビールって味に深みがあるから、意外と赤ワインのソースとも相性がいいんじゃないかと思って」

クリスピーな食感の皮に包まれた鳩肉の中は、絶妙な火入れ加減でほんのりロゼ。ダークチェリーのほのかな甘みを効かせた上品な赤ワインソースがよく合う。エール系や黒ビールなどをゆるりと傾けながら食したい大人のひと皿だ。

カジュアルな飲み物という認識が強いビールも、ときには「ハレのひと皿」ともいえる料理と組み合わせて楽しんでみたい。

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※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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