東京結婚式明細 Vol.5

東京結婚式明細:名を馳せたイケメン商社マンの結婚。男女の真の友情は存在するのか?

理想的な結婚を、適齢期にした沙織、32歳。
誠実で、外見も稼ぎも良い夫と安定した結婚生活を送り、3年になる。

今回は長年の男友達の結婚式に出席することになった。都内で名を馳せるほどだったイケメンの結婚式に胸を躍らせる彼女であったが、その実態は意外なものだった……?

結婚式明細書 vol.4:花嫁の10年越しの一途な想い。誰もが祝福し涙したハッピーエンドとは……?


男女の友情はありえない? 女たちを虜にし続けたイケメンの結婚


一般的には絶対にあり得ないと言われることが多いが、私は男女の友情は存在する、と思っている。

今日出席する結婚式の新郎である智哉とは、実際に高校時代から随分長いこと友情が続いている。智哉は帰国子女で都内の有名私立校に入学、そのまま内部進学で大学に進み、すんなりと大手商社マンとなった要領の良い男だ。そして学生時代に何度もミスターに選ばれ、大手芸能事務所から何度もしつこくスカウトが来るほど、とにかく綺麗な顔をしていた。

私はもともと、自分の外見の良さを武器に上から女を口説く男が苦手だ。20代の頃に俳優やタレントの食事会に何度か参加したことがある。彼らはその辺の女よりずっと美しい顔をしていて、身体の線がしなやかで細い。そして美しい肌と髪を持ち、決まって酷いナルシストだった。

智哉も例外ではなく、自分の外見に異様に気を遣うナルシスト男だった。街中やレストランの中など、ガラスや鏡など自分の姿を映すものがあれば必ずそこに視線を向け自分の姿をチェックし、サロンモデルをしているという美容院へは月に2度も通っていた。外資系メーカーに勤める女から男性用化粧品もよく貢がれていた。

私にとってそれは女々しさ以外の何物でもなかったが、智哉は男の欲望もしっかりと持ち合わせており、モデルや女優の卵、お嬢様女子大生からエリートOLまで、来る者拒まずであった。イケメンの価値はこれほど高いものなのかと、よく感心していたものだ。

そして智哉は、自分に男としての興味を持たない私を、同性のように扱うようになった。

「俺、次はあの女狙うよ……」

まるで男友達に自慢するように、自分の異性関係を1から10まで報告してきた20代の智哉を懐かしく思い出す。私はときに呆れながら、しかし基本的には好奇心の赴くまま、彼の留まることのないゴシップを楽しんでいた。そして私も私で、同じく女友達には言えないような恋愛相談をしていたのだった。もちろん、美しい女友達同様に、美しい男友達の存在は貴重だった。

「ゲイの男友達には何でも話せる」と海外生活の長い友人が言っていたが、私にとって智哉は同じような感覚だったのかもしれない。時には私の通うホットヨガスタジオにまでついてきて、周りの女たちの注目を一身に浴びながら一緒に汗も流していたのだから。

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