2016.05.19
東京マンションLIFE Vol.4赤池直樹。森山未來似の33歳。公認会計士、年収:900万円。結婚したくてしょうがない病。
モテキのあの主人公に似ている赤池直樹は、けっしてハンサムの類の顔ではないが、ごくごく少数の女性にとっては、「とてつもなくタイプ」らしい。
スタイル抜群のヨガインストラクター・那奈(28歳)に、ラテン系のお色気客室乗務員の史織(24歳)、趣味から何まで話が意気投合したインテリジェンス溢れる出版社勤務・麻衣子(32歳)から好意を寄せられ(?)無双状態の赤池直樹。
3者3様で魅力的な女性の中から、人生の伴侶として、一人を選ぶという超難題にお悩み中の直樹。人生初めてのモテキに右往左往中の彼は、千載一遇の結婚チャンスをつかめるのか?
もし、あなたなら、誰を選ぶ?
第1回:モテキ到来!こんなに綺麗なヨガインストラクターと一緒に暮したら…!?
第2回:モテキ到来の赤池直樹、空飛ぶセクシーCAとまさかの同棲へ…!?
第3回:今度は美人編集者!モテキに選ぶなら、話の尽きない女性が一番!?
赤池直樹にふさわしい、結婚相手を見極めろ・・・?
那奈に、史織に、麻衣子。
もし、僕が、この中から一人、選ぶとしたら・・・・???
家電製品を買うとき、僕は必ず、アスキーやDIMEで他の商品との比較表を穴があくほど見て、ネットで商品レビューを集め、いざ買うとなったら、価格コムで、最安値を探し出す。
家電でそれなら、こと結婚はもっと慎重になってしかるべきだ。
そう、僕のこの石橋を叩いて叩いて叩いて渡る根性は、別におかしくも、神経質でもないはずだ。
男だったら、一世一代の選択で、失敗は許されない。
うららかな土曜日の午後。悪友と、ミッドタウンの『ユニオンスクエア』でサラダランチを食べながら要件を整理することにした。
「モテキって本当にあるんだな。」
悪友は、ベビーリーフの影に隠れた大きなシュリンプをフォークでグサリと一刺しながら、僕の顔をまじまじと眺めて大きなため息をついた。
「この顔と性格でなぁ・・・」
「悪かったな。こんな男で。」
失礼なやつだと内心憤慨しながらも、実際反論できないのだから、仕方がない。
早速僕の作ってきた「要件表」を出すと、悪友は恐ろしいものでも見るように眺めると「本当にお前マメだよな・・・」と毒づきながら覗き込んだ。そこには、那奈、史織、麻衣子、3人の良い点、心配な点を書き綴っていた。
身にあまる幸運に出会った時、男は思考停止してしまうもの。そう、みんなあまりに素敵で魅力的で・・・正直僕にはもったいない。
でも、思考停止した状態で人生最大の決断をするわけにはいかない。きちんと自分の頭の中を整理する必要があったのだ。
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