良い男ほど手を出してこない
春香が陥った思わぬ落とし穴。それは日本と海外では男性が女性を口説く流儀、順番諸々が違う。春香はそんな当たり前のことに気がつくのが遅かったことだ。
身体を重ねた数人の内、次の日からパタリと連絡が取れない人もいたし、その後数回会うとそれだけの関係になる人もいた。何故か長続きしないのだ。
シンガポール富裕層の厳しい目とは
シンガポールに来ている富裕層の男性陣は、女性がお金目立てかどうか意外にシビアにジャッジしている。そして何より自立している女性を求めているのも特徴だ。春香のように、次々と浮名を流していては、狭いシンガポールでは直ぐに有名になってしまう。
あまりにもお金に執着しているのが態度に出てしまっている春香は、世界一流の彼らの結婚相手候補にはなれず、ただの「遊び相手候補」でしかなかった。
このシンガポールの落とし穴に気がつくのに、春香は3年かかった。
35歳になっていた。
東京には戻れない。シンガポールでも勝てない。次に春香が目指したのは?
春香は言う。東京はもう私のマーケット外、と。
30代女子に対する厳しい目も、売れ残りのレッテルも貼られないし、毎日キラキラと華やかな世界に身を置いていられるシンガポール。
しかしその反面で女性に対しては年齢ではなくもっとレベルの高い物が求められる。ずば抜けた美貌、もしくは自立できる経済力、語学力、一緒にパーティーに出席させても恥ずかしくない知性と教養。
その現実を知った春香は自分の今までのキャリアを見直し、次はこれまたアジアの金融の中心で富裕層の多い香港に行って婚活をすると言う。本人はもう婚活という言葉を使っていないが、周りから見れば香港に逃げたようにも見える。
一度東京市場から外れ、シンガポールの富豪達との出会いで更に理想が高くなってしまった彼女にとって、 確かにもう東京市場には空きもなければ居場所もない、悲しい現実が一気に襲ってくる場所かもしれない。
最近、彼女が香港への引っ越しを決めたと聞いた。
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