東京いい街、やれる部屋2 Vol.2

東京いい街、やれる部屋2:参宮橋で少女漫画のような展開がキタ

出版社で営業事務をこなす主人公・彩乃(27)には悩みがあった。それは恋愛に対していまいち本気になれず、男性との距離を図ってしまうこと。

友人の真美からの「男性の部屋行こう」という提案に乗り、3ヶ月限定で気になる人には踏み込んでみようと決める。

前回は目黒のデザイナーズマンションに住む義実の家に行き、見た目のよさと中身の残念さを目の当たりに。今回は少女漫画のあるキャラに似ている人と出会ったようだが……?

「やっぱり『NANA』は伝説」


仕事を終え、JRに乗り込み新宿に向かう彩乃。彼女がスマホで読んでいるのは『NANA』という伝説的少女漫画だ。主人公の二人が同じ名前で、同じ時間、同じ電車に乗り込み、東京へ上京することから始まる物語。彩乃と同世代であれば一度は読んだことがある人もいるだろう。

『NANA』はタクミがいいんだよね、と心の中で思うのはこれから会いに行く男性が絡んでいたのだ。先日、後輩が開催したお食事会で会った”巧”を彩乃は気に入り、連絡先を交換して今日のデートにこぎつけた。身長が高く、細身のパンツをスラっと履きこなす彼はアパレルのプレスをしており、そのセンスの高さが先ほどまで読んでいた漫画のお気に入りキャラを連想させる。

「あ、いいかも」と思った彩乃は友人である真美の教え通り、相手のことを知ることにしたのである。しかし、今日が初デートであるため、いきなりそんなことになるのも、いかがなものかと思っているが「そのときはそのときだ」と腹をくくり、待ち合わせ場所の新宿へ降り立った。

待ち合わせの東口へ着くと巧はすでに喫煙所におり、「行こうか」と素早くエスコートしてくれる。紳士な態度にもアパレル関係だし、女性との接点も多いんだろうなと受け止め、三丁目方面へと歩いて行く。お互いの仕事の都合上、待ち合わせは21時。この時間からどこに向かうのかとワクワクしながら後を付いていく。

ワイン好きということを覚えてくれた嬉しいサプライズ

「彩乃ちゃん、ワインが好きって言ってたよね」

巧が選んでくれたのは『銀彗富運』だった。つまみのコスパの良さと、ワインの品揃えが豊富。平日の予約は一週間前でもとるのが難しいと聞いていたので、これは嬉しいサプライズ。

お食事会でワインばかり飲んでいた彩乃に、俺も好きなんだと話を振ってくれ、ソムリエの資格をとりたいという話題で盛り上がっていたことを思い返す。今日はワイン好き同士、色々飲もう!とグラスを近くまで持っていき、乾杯のふりをしてスタート。

こういう女性が喜ぶことをサラッとこなすところも”タクミ”のようだと思った。漫画のなかでもタクミは、え! と思うことで主人公を喜ばせる。「まぁ、その分女好きで泣かされるんだけどね……」と考えながら、この人はどうなんだろうと同時に思う。お食事会では彼女はいないよと言っていたが、それはいつまでの話なんだろうか。

素敵なお店に連れて来てもらっておいて疑うなんてどうかしてる、と自分に言い聞かせつつも、やっぱりどこかで疑ってしまう。余計なことを聞かないようにその言葉をワインでクイッと飲み込み、新しい赤をグラスに注いでもらった。

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