東洋経済・東京鉄道事情 Vol.11

「座って帰りたい」を叶える!京王線が仕掛ける新たな通勤列車とは?

京王電鉄は2018年春に座席指定列車の運行を始める。ロングシートとクロスシートの両方に転換できる座席を採用した新型車両「5000系」を導入する(提供:京王電鉄)

3月16日、京王電鉄は2018年春から、同社では初めてとなる座席指定列車の運転を開始することを明らかにした。

長手方向に並んで座る通勤電車スタイルのロングシートと、2人がけのクロスシートの両方に転換できる座席を採用した新型車両「5000系」を投入し、夜間の帰宅時間帯に下り列車として運行。長距離通勤者の「座って帰りたい」というニーズに対応する。

昨年5月に発表された中期3カ年経営計画には、収益力の向上策として「有料座席列車導入の検討」が触れられていたが、具体的な情報がついに明らかになった。京王線と並行するJR中央線は2020年度にグリーン車を連結する計画で、多摩地区では「座れる通勤列車」の競争が繰り広げられることになりそうだ。

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新型車両は「1人2役」

京王の座席指定列車は平日・土休日の夜間帰宅時間帯に、新宿発京王八王子行き、新宿発橋本行きとして運行する。列車のダイヤや種別、座席指定料金、愛称などは未定という。

同社は首都圏有数の行楽地である高尾山へのアクセス路線を持ち、昨年には玄関口である高尾山口駅を大規模リニューアルしたほか、同駅前に日帰り温泉施設をオープンさせるなど高尾山周辺の観光に力を入れているが、高尾山への行楽向け座席指定列車を運行する予定は「今のところない」(同社広報部)といい、あくまで通勤客への着席サービスが狙いだ。

この列車の運行にあわせて導入する新型車両5000系は、座席指定列車として運行する際は2人がけのクロスシート、それ以外の一般の列車として運行する際は長手方向に6人がけのロングシートに転換できる座席を採用する。一般の列車としての運行ダイヤは未定だが、相互乗り入れを行っている都営地下鉄新宿線に乗り入れる予定は今のところない。

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