東京ファイトクラブ Vol.5

東京ファイトクラブ:“ダビデ級”華麗なる肉体美の作り方

一概にジムと言っても、その種類は様々だ。自宅近くのジムであれば事足りる、と思う人も多いだろうが、万人を受け入れるチェーン系のジム、個性ある個人経営のジム、格闘技やボディビル選手の育成機能を持つジム等、選択肢は幅広い。また、ジムに通う目的も人それぞれだ。

ただ、自分を追い込んでトレーニングをする人を見て、一度でも疑問に思ったことはないだろうか。何故、そこまでストイックに鍛えるのか。一体、何を目指しているのか……と。

これから貴方は、肉体美の骨頂を目にすることになる。

Episode 5:和久井拓

計算尽くされたシンメトリーの身体美を追求し、和久井拓は今夜もゴールドジム 原宿東京店に足を運ぶ。

身体の各パーツに意識を集中させ、まずは100kg台のウエイトで筋肉に負荷を与えると、徐々にウエイトを下げて筋肉を繊維レベルで鍛えていく。



ゴールドジムは、「ボディビルの聖地」と呼ばれるアメリカ・カリフォルニア州のベニスビーチを発祥とし、日本では全国60か所に展開している。ボディビルダー育成トレーナーを抱え、格闘家向けのジムを併設している専門性の高いジムだ。

ボディビルダーのみならず、多くの芸能人やモデルが通うことでも知られており、ここに通う人は、男女問わずストイックに自らを追い込んで鍛える人が多い印象だ。

さて、和久井氏はどういう人物なのだろうか…?

2013年 USBB MEN'S PHYSIQUE 準優勝 (日本人最高位)

2013年 ベストボディジャパン 東日本チャンピオン


現在36歳。驚くことに、和久井氏が初めてジムの扉を叩いたのは、実は6年前の30歳の時だった。

会社員時代、連日終電近くまでデスクワークが続く中、夜食を食べる時間も必然的に遅くなっていた。気が付けば、下腹部にはうっすらと脂肪が乗り始め、筋力も落ち始めていた。元々太りにくい体質だったというが、トレーニング開始時のInBody(インボディ)測定結果は、隠れ肥満。体脂肪率は20%近くあったという。

「ある日、電車で移動中に車両が揺れた時、自分の身体を支えられなかったんです。これはさすがにヤバいな、と。そこで、当時住んでいた三軒茶屋の駅前にジムがあったので、『ボディビルダーほどにはなりたくないけど、まずは下っ腹の肉を取りたいです!』とトレーナーに言って、トレーニングを始めたのがきっかけでした」

どちらも同一人物。左は全く運動をしていなかった20代の時。右は大会出場時

当時は、フィジークコンテストに出場することなど微塵も考えていなかったと言う。

「ボディビルダーのような身体は、マンガの中のヒーロー的な存在よりも寧ろコミカルにいじられるだけで、正直、当時の僕にはカッコいいイメージがなかったんです。ただ、やってみて分かったのは、彼らのように筋肉を発達させることは本当に難しい。

今では、選手として目指す場所こそ違えど、純粋に尊敬しています。運動すればすぐにムキムキになると誤解している方が多いですが、そう簡単になれるものではありません(笑)」

トレーニングを始めてからは、1か月で体脂肪率が3%ほど減少。『短期間の運動でこれだけ変われるなら、食事内容も研究しながら、やれるところまでやってみよう!』と、食に対する意識や食生活も一変し、生理学的かつ解剖学的にトレーニング方法を学びつつ、バランスの取れた栄養の摂り方についても学んだ。

それから約3年後、和久井氏は「BEST BODY JAPAN(ベストボディジャパン) 東日本大会 」で見事全国優勝を果たす。
この大会、健康的で美しく、かっこいい、引き締まった身体を競う「世界初の年齢別ミスター&ミス・コンテスト」とされており、年々注目が高まっている大会の1つだ。

フィットネスとは縁遠い生活を送っていた一人の男が、自らの意志で肉体改造を成功させ、新たに生まれ変わった瞬間だった。

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