東洋経済・東京鉄道事情 Vol.3

山手線vs京浜東北線、"並行競走"の勝者は?

田端~品川駅間で並走する山手線と京浜東北線(写真:tarousite/PIXTA)


東京のような大都市には、実に多くの鉄道路線が通っている。そのため、目的地までのルートも複数通り存在することになる。例えば、渋谷から新橋に向かうなら地下鉄銀座線とJR山手線。新宿から上野ならJR中央線から神田で山手線に乗り換える手もあれば、山手線でぐるりと半周してもOKだ。また、目的地がアメ横など御徒町にも近いならば都営大江戸線の上野御徒町駅を目指すこともできる。

このような“ひとつの目的地と複数のルート”。多くの人は、乗換案内サイトなどを利用して最適なルートを探していることだろう。では、田端~品川間はどうしているだろうか。

この区間、山手線と京浜東北線が完全に並行して走っている。日中は京浜東北線が快速運転をしているが、朝夕はいずれも各駅停車。それも品川駅以外はすべて同じ方向の列車は京浜東北線も山手線も同じホームに発着する。時刻表を見ても、田端~品川間の所要時間はいずれも26~27分で変わらない。つまり、山手線と京浜東北線、どちらに乗ってもほとんど違いはないように思える。

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どっちに乗る?聞いてみました


そこで、実際に利用者はどちらを選んでいるのか。それを探るべく、沿線に足を運んで話を聞いてみた。

「先に来た列車に乗る。同時に来た時は…特に深く考えたことがないですね」(御徒町駅/20代男性)
「個人的には青が好きなので、選べと言われたら京浜東北線。でもあまり気にしたことはない」(新橋駅/30代男性)
「昔、横浜に住んでいたことがあるので、身近な印象のある京浜東北線を選びます。が、山手線が早く来たらそっちですね」(新橋駅/40代女性)
「山手線は11両編成だし、大宮方面・横浜方面の利用者が乗らないので空いている気がする。だからどちらかと言えば山手線です」(浜松町駅/20代男性)
「いつも利用している上りエスカレーターを降りると京浜東北線のほうが近いから、どちらかというとそっちかな」(新橋駅/30代男性)


多少なりともこだわりを持つ人もいたにはいたが、それとて“強いて言えば”程度のもの。ほとんどが“深く考えたことはない”というお答えだった。乗車するホームも停車駅も所要時間も変わらなければ、「どっちに乗ろうか」と考えるほうがバカバカしいのだ。まあいずれも本数は多いわけで、どちらに乗るべきか悩む暇があったら目の前の列車に飛び乗るべきなのは百も承知。というわけで、山手vs京浜東北の戦いは、これにて終了…。

と、ここで終わっては少々つまらない。というわけで、実際に山手線と京浜東北線、条件はどれだけ違うのかを詳しく調べてみた。

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