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#東京悪女伝説 Vol.11

その名はサエコ:ついに"成し遂げた”?!色を好む英雄、ついにアンと契りを交わす...?


—うふふふふー

勝利宣言とばかりに、アンは、笑いが止まらない。

食材も調理法も最高のクオリティに昇華させた“洋食”を提供し、多くの経営者に愛されているフレンチ『サロン・ド・グー』で食事を済ませた二人は、星条旗通りに待たされていたタクシーに乗り込み、パーティーの会場となったその男のマンションへと向かったという。

サエコの元彼と結婚した聖子が、「夜の才能」を得た女こそ最後に選ばれるといっていたが、アンは、その派手な顔立ちから想像される以上に、ベッドの上では、奔放で大胆、そして、時に繊細で緻密に、男を悦ばせるらしかった。

—英雄、色を好むって言うけど、仕事のエネルギーと夜のエネルギーは比例するって本当なのねぇー

アンは、昨夜の度重なる交わりを思い出して、こみあげてくる笑いをもはや抑えることはしなかった。

数百人もの部下を従えて、資産数億というあの男が、ベッドの上ではアンに組み敷かれて情けない声を出しているなんて。昨夜の男の反応を思い出すと、あのサエコにさえ同情したくなるほどの、圧倒的な手応えを感じていた。優越感を越えてもはや菩薩のような心地である。


聖子がいう「夜の技術」を磨いた地方局女子アナ・アンと一線を越えたサエコの彼氏の御曹司・・・。存外デタラメでもなさそうだが・・・

早朝の広尾。小鳥の鳴き声に混じって、女子アナ・アンの美しい笑い声が響き渡る。

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#東京悪女伝説

絶世の美女ではない。だけどなぜかあの子には男が途切れない。あなたの周りにもきっといる、そんな女のお話です。

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