東京女子図鑑 Vol.10

東京人生ゲーム:綾「ねぇ、拓哉。この街の景色は君の目にどう映るの?」

慶應大学卒業後とある総合商社に勤めた拓哉のその後を追った「東京人生ゲーム」。明日、12月27日18時に最終話が公開される。

44歳になった拓哉は一体どこで何をしているのだろうか?最終話を前に、拓哉の人生に関わった男女が登場。彼女たちは拓哉という男を、そして東京という街をどう見ていたのだろうか?

拓哉さん。覚えていますか?27歳のとき合コンした綾ですよ。

私、と申します。

拓哉さん、突然ですが、あなたと昔合コンしたこと、覚えていますか?

私がまだ、秋田から三茶に住んでいた27歳の頃。場所は、恵比寿の大きな水槽のある「LUXIS」というダイニングレストランでした。当時28歳のあなたはイケイケで、西麻布に住んでいました。

女は金がある男が好きだと思い込んでいて「28歳年収800万の有望株・拓哉です!」と、いきなり衝撃の自己紹介をして女性陣をドン引きさせていましたね。リーマンマイクの「合コン歌」を絵に描いたように、王様の命令は絶対と言い、テキーラと鏡月を煽っていました。

そんな拓哉さん、自らを有望株と名乗り出た割に、会計では2,000円徴収するという大いなる矛盾を抱えていて、合コン終わりの女子反省会では、あなたの話で持ちきりでした。

ちなみに、恵比寿に住むきっかけをくれたのは、あなたでした。住んでる場所を聞かれ、「三茶」と答えた時のあなたの「へー(笑)」って語尾の含み笑いが嫌で、引越しを決断したんです。


「女は金がある男が好きなんだろう。」って常々言っていた拓哉さん。でも本当は、拓哉さん自身が「男の価値は、金」って思っていたんじゃないですか?

この20年、紆余曲折あったようですが、そんな、資本主義の権化みたいなあなたが、「5MINUTES」のCOOをやめてまさか伝統工芸品の事業をやるとは、どういう風のふきまわしでしょう?


きっと、東京で、上には上がいることを目の当たりにして、お金以外の価値観にシフトせざるを得なかったのでしょうね。特にあなたみたいな、大企業の看板と年収を、自分のアイデンティティに結びつけていたようなタイプの男性の、葛藤たるや甚だしかったと同情します。

東京内での格差は他の都市より確実に大きいのですから、周りの人間と比べてしまうことで、同調圧力や出世圧力を無意識のうちに感じて大きなストレスを受けていたのでしょうね。同期のタカハシさんに抜かれ、「5MINUTES」の社長からはストックオプションを与えられず啖呵を切って、やむなしの事業設立だったのでしょう。

だけど、選民意識の塊だったあなたが、挫折と嫉妬と劣等感に苦しみながらも、煩悩だらけの街・東京から離れられないのはなぜなんでしょうね。あなたみたいなタイプは、高知県に移住したプロブロガーのように、地位とか、出世などから、解き放たれた地方に移住して、別次元のステージで「勝ち」を定義できれば楽だと思うんですけどね。


つくづく東京って不思議な街ですね。


時々、東京は、日本のアリーナ席みたいだなって思います。どこから見たって、ライブは観れるのに、よりリアルに、ナマっぽく味わえるアリーナ席。臨場感があって、アーティストの汗の一粒一粒まで光って見えて、そして、もしかしたら、アーティストと目が会って電撃的に恋に落ちることができるかもしれない。そんなチャンスさえ、錯覚できてしまう。

アリーナ席で感じる高揚感、選民意識、優越感は、東京の人が地方に対して感じる意識と似ています。この感覚を知ってしまったら最後、消耗したって、高いお金払ったって、もう地方の立ち見席なんて、耐えられないんでしょうね。


あの合コン後の女子会で笑い者にされていた拓哉さん。あなたの44歳。どうなっちゃってるんでしょうね?

え?人の心配より自分のことをですって?心配無用です。例の恋人と幸せを見つけましたから(笑)



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