逃した魚は大きかった。けど、次の魚はもっと大きい・・・?
ちなみに、サエコの前の彼はびっくりするくらいのイケメンでした。
あ、先ほどお話した西島秀俊似の同期じゃありません。スポーツマンで、彫りが深くて、背も180cm以上もあって、経済力もある・・・スーパーハイスペック男子です。彼の名誉のためにも肩書きは伏せますが。
なぜ、いい男は、揃いも揃ってサエコにいくのでしょうか。本当に解せません。
あまりの好条件、出来すぎたシンデレラストーリーに、瞬時に会社で噂になりました。と同時に、皆が口を揃えて言いました。「なんであの子が?」「そんなに可愛い?」
その通りです。大して可愛くもない、大分の田舎娘が、自分よりいい男と付き合うなんて、そんな茶番ありえません。
ほどなくして、破局の噂が流れたときは、誰もが、ここぞとばかりに小躍りしたはずです。落ち込むサエコを見て、いい気味だと思っていました。やっぱり分不相応だったんだって。あのレベルの男性に見合う女じゃなかったんだって。「逃した魚は大きかった。これから先、あれ以上の人なんて出会えない。」と笑いが止まりません。
だけど、彼女不敵にもこう言ったそうですよ。
「逃した魚は大きかった。けど、次の魚はもっと大きい。」って。
これだから、ガツガツした雑種の成り上がりは嫌いなんです。まぁ、強がりの一つや二つ、言わないとやってられないでしょうね。
かわいそうな田舎娘。
これからは、せいぜいマッチ売りの少女のように、炎の中の幻想を見つめて生きるしかないでしょうね。
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女の口から語られる、サエコにまじわるねじれた感情。”サエコ”は悪女なのだろうか?
この記事へのコメント
久しぶりに読んだら、記憶と同じくらい胸がざわつきました。
2016年の空気感ごと、味わってください。