美食家著名人7人に聞いた!格段に酒を旨くするツマミを出す店はここだ

太田和彦 グラフィックデザイナー。1946年北京生まれ。近著に『男と女の居酒屋作法』(角川書店)、『ニッポンぶらり旅 宇和島の鯛めしは生卵入りだった』(毎日新聞社)

太田和彦が目を細める
『高太郎』の飛魚のなめろう

渋谷

「連夜、予約で一杯の居酒屋。しかも林高太郎さんが独立独歩でね。希望の持てる話じゃないか」

今宵も、居酒屋探訪の大家にして銀座のバーにも精通する太田和彦センセイの講義が始まる。

「やるべき事をやれば、店は繁盛する。お客は、正直なものだよ」

渋谷駅から至近ながら雑踏から離れた桜丘町に、酔客たちが熱望した大人の居酒屋が開業したのは2011年3月末。半年を待たずして予約の取れない店となったのは、道理だとセンセイは言う。

飛魚のなめろう。メニューは一例

「子供がいない場所のよさ、料理の基礎がある高太郎さんの力量、日本酒の勉強を怠らない謙虚さ。そうそう、当たり前のようにお燗を出すのも、とてもいい」

お通しは、豆と青物のおひたしと決まっている。豆に相好を崩すのは年を重ねた証拠。枠を決めてその中で工夫できるのは、料理人の腕とアタマがあってこそ。センセイはカウンターにひとり腰掛け、七本槍あたりをちびりちびりやりながら、ふむ今日の青菜はニガウリかい、と独りごちつつ、次の肴をゆったりと待つ。

「ご覧、カウンターから障害物なしに厨房が見渡せる。料理風景を見ながら飲むのが、居酒屋での最上の喜びだが、ここは満点だ」

ほどよく身を叩いた飛魚に味噌と醤油少々を加えたなめろうが目前に現れ、センセイはご満悦。

「これが、一番の好物なのさ」

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