小宮山雄飛の“英世”なる食卓 Vol.15

ボリューム満点、インパクト絶大!渋谷の老舗カレー頂上決戦

curated by
小宮山 雄飛

玉子入りムルギーカリー¥1,050

池波正太郎も愛した味がここにある『ムルギー』

渋谷区観光大使に任命され、日々“パトロール”と称して地元渋谷の美味しいお店を独自調査している小宮山さん。渋谷には老舗から流行りの新店まで沢山あり、千円以下の絶品メニューにもことかくことがない。

そして今回は渋谷のカレー店対決だが、戦後の道玄坂付近はジャズ喫茶など娯楽施設が多く、映画館帰りに当時新しかったカレーを食べるのが流行したという。

鶏のひき肉やピリ辛ナッツのソースを和え、自家製和風ドレッシングをかけたガドガドサラダ(¥850)も人気が高い

「ここ、『ムルギー』はおそらく中学生のときに来たのが最初。近くの『麗郷』や『喜楽』と並んで渋谷を代表する老舗で、池波正太郎が通っていたというのも食べ物好きにはたまりません」

インパクト十分な山型に盛られたライスにずらっと並んだゆで卵とケチャップ、なんとも言えないソースのビターな美味しさは、大人の階段ならぬ大人のマウンテンに登った気分になるはず。

喫茶室のような雰囲気が常連客を魅了する

実家が渋谷駅前だった先代の松岡憲策さんが、海外の味をベースに昭和26年に創業。そして当時の味をそのまま娘姉妹が継承し、すべて手作りにこだわった唯一無二のお店だ。

「サラサラしたソースはもちろん絶品ですが、カレーに合うように固めに炊かれたライス、甘みとしてちょこんと添えられたチャツネなど、全てが絶妙なバランス! 長年変わらない懐かしい味が蘇ります」

渋谷の歴史を見守ってきた、後世に残したい地元のソウルフードだ。

当時から変わらないインド人らしきイラストと、スペルの違うカレーの文字が入った愛嬌たっぷりのショップカードが歴史を物語る

創業から今まで同じ地に店を構え、昭和の面影を残す

人気と実力があるから老舗になる。どちらも渋谷でランチに困ったら、訪れる価値あるカレー店だ。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

【小宮山雄飛の“英世”なる食卓】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo