2016.09.23
一見、若者向けのカジュアルな店が多い印象の中目黒だが、実は名店揃いのエリアというのはご存知だろうか? そこで今回は、舌の肥えた人も納得の名店をご紹介!
※こちらの店舗は、現在閉店しております。
中目黒の和を牽引する一店
『日本料理・炭火焼 いふう』
『いふう』が誕生したのは13年前。中目黒駅に近い高架下。小さいながらも品格があり、しかし入りやすく、本格的な和食を近所の人が気軽に食べられるお店として喜ばれていたと思う。
2年後には現在の3階建ての店舗に移転。大きなカウンターでは料理人と近く、テーブル席、半個室とさまざまなシチュエーションに対応。1階にコミュニケーションが取りやすい広めのカウンター。
2階はテーブル席で若い人にも入りやすく、さらに3階は半個室になっていてプライバシー重視の客層で予約が埋まる。近隣の客に加えて、遠方からのゲストも増えた。
10年近い歴史のなかで、変わらぬ名物は炊き込みご飯と炭火焼き。特にご飯はウニのほか、夏なら鮎や穴子、新生姜と豆の組み合わせなど、季節ごとの味を楽しみにしているファンが多い。
親しみやすい品書きを単品で、お酒とともに楽しむもよし、しっかりと懐石料理のコースに身を委ねるもよし。どちらにせよ、和の真髄をいくおもてなしと設えに包まれていると「また来よう」と強く思う店である。
鶏の目利きが供する王道の味わいを
『鳥よし 中目黒店』
「開店して最初の1週間は胃が痛む思いでしたよ。周りに店はないし。お客さんが来てくださるかどうか不安でしたね」
オープン当時を振り返りつつこう語るのは、ご主人の猪股善人氏。無理もない。今でこそ美食のトレンドスポットとして注目されている中目黒も、当時はまだ再開発前。お隣の代官山や自由が丘に一歩後れをとっていたのは事実だ。
が、旨い店には自ずと人の足は向くもの。“中目黒に『鳥よし』あり”の令聞は瞬く間に広がり、気がつけば行列のできる店へと仲間入りを果たした。
人気の理由は焼きの上手さに他ならないが、そこにはのべ11年にわたりパリで焼き鳥を焼き続けてきた猪股氏の、かの地で身につけた鶏への鋭い審美眼と扱い方が大きく影響していることは否めない。
その猪股氏が選んだ鶏が福島の伊達鶏。「クセがなく肉自体が滋味豊か。程よいかみ応えと軟らかさが気にいっている」そうで、鮮度と質を保つため内臓をつけたまま丸鶏を仕入れる姿勢も、この頃の焼き鳥店としては画期的だ。
鮨屋を思わす高級感が漂う店内の造りも然り。反面、サービスは至って庶民的。この頃あいの良さも長く愛され続けてきた所以だろう。
この記事で紹介したお店
鳥よし 中目黒本店
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