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SPECIAL TALK Vol.137

~引っ込み思案だった自分に落語が扉を開いてくれた~


師匠の決め手は「面倒見てくれそう」


二葉:落語を知ったのが20歳くらいで、入門したのが24歳。さすがにいきなり入門する勇気はなくて、大学卒業後に一度、会社勤めしたんですよ。入門して修業が始まったら、そんなに稼がれへんから、働いておこうと思って。実家は早々に放り出されたから、家賃も要るし。

金丸:放り出されたって、何かしでかしたんですか?

二葉:何もしてないですよ(笑)。小学生の頃から両親に「はよ、出ていけよ」って言われてて。

金丸:仲が悪かったんですか?

二葉:そんなことないです。今もふたりとも落語に来てくれてますし。

金丸:女の子だと身近に置いておきたいのが親心のように思いますが、変わってますね。

二葉:変わってるかもしれないですね(笑)。しっかり自立してねってことかなぁ。で、働きながら師匠を探して。

金丸:鶴瓶さんに弟子入りしようとは思わなかったんですか?

二葉:憧れの噺家さんのとこに入門する人も結構いますけど、私はそんな気持ち全然なくて。いろんな人を見た上で、桂米二にお願いしました。米朝師匠のお弟子さんですが、「この人やったら、面倒見てくれはりそうやな」って。

金丸:面倒を見てもらう気満々なんですね(笑)。

二葉:ほんまいい師匠とこ行ったなと思ってます。

金丸:二葉さんは師匠にとって、初めての女性のお弟子さんですか?

二葉:そうです。だから最初、「どうやって教えていいか分からへん」って言わはったんですけど、男女関係なく同じようにやってくれて。それに、うちの師匠は女性が落語をやるの難しいっていうことを、いまいち分かってはらへんような……。

金丸:逆に深刻に考えすぎたり、変な先入観を持って教えたりすることがなかったんですね。

二葉:そうです。そのまま教えてくれはったから、それがよかったんちゃうかな。師匠に入門をお願いに行ったときも、髪はアフロで。師匠は頭ばっかり見てました(笑)。

金丸:えっ、アフロで(笑)。だけど、落語の一門がいろいろある中で、米朝さんの筋はオーソドックスというか、優等生っぽいイメージがあります。

二葉:お行儀が良い一門かもしれません。米二も正統派なんで、アフロで大丈夫かなってドキドキしてましたけど、意外にも「それええやないか」みたいな。

金丸:インパクトがあるし、ツカミになりそうですよね。

二葉:それに、「女」感が薄れるんちゃうかなって。お客さんとして寄席に通っていたとき、女性が舞台に出てくると、「うわ、女や」みたいな空気になるのを感じてて。同じ女でもアフロが出てきたら、「こいつ、何考えてんのやろな」「どんなこと喋んねやろな」みたいに興味を持ってもらえるんちゃうかなって。

金丸:現在のマッシュルームカットも同じ考えですか?

二葉:落語には男の人も女の人も子どもも、いろんな人が出てきますから、性別を感じさせない髪型の方がやりやすいと思ってます。まぁ、髪型に性別なんてないんやけど。

金丸:確かに。落語はずっと男性がやってきた演芸ですが、二葉さん自身はやりにくさ、みたいなものを感じることはありますか?

二葉:男性がやることを前提に研究されてきたものなので、女性がやるのは難しいと言われてきたんですが、もうそんなことないかなと思います。女性がやってても、あんまり違和感なくなってきてますし。逆に、男の人でもヘタな人はヘタですし。

金丸:そりゃそうだ(笑)。

二葉:自然に、まっすぐやるんが一番ええかなと。

金丸:二葉さんとお話ししていると、ものすごく自然体だと感じます。ところで、今の二葉さんの人気ぶりを、師匠はどのように見ているのですか?

二葉:たぶん不思議に思ってはる。「なんでうまいこといってんのかな」って(笑)。

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